研究実績の概要 |
1) LG18株のL-グルコース代謝関連遺伝子の同定 前年度までに同代謝経路の第3段階までの反応を司る酵素・遺伝子の同定(L-GDH, L-GnDH, C-4 epimerase)に成功した。本年度は第4段階以降の反応に関与する遺伝子を同定した。その結果、同代謝経路は7段階の反応で構成されることが明らかになった。さらに同定した各遺伝子の破壊株を作製したところ、全ての株がL-グルコース資化能を失っていることを明らかにした。また、C-4 epimeraseをコードするlguG遺伝子を除き、L-ガラクトース代謝能も同時に失うことを明らかにした。現在学術論文を執筆中である。 2) LG18株の分類学的検討 前年度のゲノムレベルでの検討に引き続き、細胞膜脂肪酸組成・脂質組成・キノン分析等の生化学的解析を行った。現在生理学的解析を行っている。 3) 新規L-グルコース資化菌のスクリーニング 前年度の実環境中でのL-グルコース資化菌の解析に引き続き、同一土壌からのL-グルコース資化菌の単離を行った。その結果、Rhizobiales目に属する複数の異なる属に分類される細菌の分離に成功した。現在その中から菌株を選定し、L-グルコース代謝経路の検討を行っている。 4) L-GDH, L-GnDHの結晶化と立体構造解析 前年度のL-GDHの結晶化に引き続き、X線結晶構造解析を行った。その結果、1.5オングストロームの解像度で構造を明らかにすることができた。現在酵素活性中心や基質認識に関わる残基を同定するため、部位特異的変異体の作製を行っている。
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