現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々はこれまでに、脳基底の視床下部弓状核に局在するアグーチ関連ペプチド産生神経(AgRP神経)が空腹時に活性化して甘味や苦味の嗜好性を変化させることを明らかにした(Fu et al., Nat.Commun., 10, 4560, 2019)。2021年度は特に糖代謝異常に焦点を当て、より疾患に近い状態における中枢神経系と味覚の感じ方の関係を検証するため、グルコースアナログである2-Deoxy-Glucose(2-DG)を用いた検証を行った。2-DGは全身において解糖系の働きを阻害し、糖欠乏状態を引き起こす薬剤である。2-DGをマウス腹腔内に投与後に活性化している神経を神経活動マーカーc-fosを抗体染色することで探索したところ、視床下部AgRP神経が強く活性化していることが明らかになった。現在、2-DGを投与したマウスとそうでないマウスとで味覚嗜好性がどのように変化するかをリッキングテストを用いて検証中である。
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