研究課題/領域番号 |
21H02251
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀 千明 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50722948)
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研究分担者 |
飛松 裕基 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (20734221)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 担子菌 / 針葉樹 |
研究実績の概要 |
樹木は樹皮や木部に抗菌性物質となる二次代謝産物を生産することにより、菌の侵入を防いでおり、特に針葉樹は大量に蓄積しているため腐朽されにくい。しかし針葉樹分解性白色腐朽菌Phlebiopsis giganteaは一早くこれら樹木防御を突破しコロニーを形成する(Hori et al. 2014 PLoS Genet.)。これまでの研究で、P. giganteaは針葉樹の抽出成分に豊富に含まれる二次代謝産物を生物変換する高い能力を保持している可能性を示した(Hori et al. 2014 PLoS Genet.; Iwata et al. 2020)。そこで本研究では、針葉樹二次代謝産物の本菌による変換過程を網羅的に明らかにすることで、本菌が樹木防御を突破できる一因の解明へと繋げる。 昨年度、伐採したばかりのマツから取り出した抽出成分のメタボローム解析法をGCMSによって確立し、本プラットフォームを利用する事で、マツ抽出成分および成分変換物を網羅的に解析した。今年度は、マツ抽出成分の中でも主要な成分を対象として、腐朽菌への成長阻害機能があるかどうかを確認した。さらに、P. giganteaの代謝産物を明らかにするための液体培養条件を検討することで、本菌が主要成分を消費していることを確認した。今後、本培養系を解析することで、変換物の同定や変換に関わる代謝や酵素を明らかにすることが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究室体制が大きく変化したにも関わらず、本課題の中心であった生物変換を観察する培養系を構築できており、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、構築した培養系を対象として、オミクス解析を適応することで代謝変換機構を明らかにしてく予定である。
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