研究課題/領域番号 |
21H02293
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石田 貴士 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (30623467)
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研究分担者 |
福重 元嗣 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10208936)
氏家 清和 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30401714)
丸山 敦史 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (90292672)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 説得的コミュニケーション / 心理的リアクタンス |
研究実績の概要 |
2021年度は、自身のリスク評価に対する確信の程度が不安の強さに与える影響について分析した論文”Risk Communication under Conflicting Information: The Role of Confidence in Subjective Risk Assessment ”がJournal of Food Research に掲載された。また、高校生に対する食育の効果について、関与や精緻化見込みモデルといった説得的コミュニケーションのフレームワークからアプローチから分析を行った『高校生の地元産農産物に対する関心と食・地域・農業への関心および親近感』が食と緑の科学に掲載された。 さらに、コロナ禍の影響により、2021年度中に実施できなかったグループインタビューを2022年度に繰り越し、アンケート調査の形式に変更して実施した。アンケート調査は、2件実施し、両調査とも説得的コミュニケーションを困難にする要因である心理的リアクタンスが対象者の心理的・認知的要因によってどのような影響を受けるかを明らかにし、効果的な説得的コミュニケーションの方法を検討することを目的としている。 1件目のアンケートは、禁煙の説得に対する心理的リアクタンスの発生要因に関するものであり、禁煙の説得に対する心理的リアクタンスの発生が、ヒューリスティックな思考や統計・確率のリテラシー、情報の探索方法、パーソナリティなどによってどのように異なってくるかを探ろうとするものである。2件目のアンケートは、寄付の説得に効果的なメッセージの内容に関するもので、説得メッセージとして①寄付効果の提示、②返報性、③負担感軽減のそれぞれに訴えかけるメッセージが、どのような回答者に効果的かを探るものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に予定していた対面でのグループインタビューは、コロナ禍の影響もあり、実施できず、2022年度に繰り越しを行った。しかし、2022年度においてもコロナ禍の影響が懸念されたため、グループインタビューによる調査を断念し、説得的メッセージに対する心理的・認知的反応をアンケート調査により探ることとした。2件のアンケート調査は、2022年度内に完了することができ、2023年度にその統計的分析、論文執筆を行うための体制も構築することができている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に実施した2件のアンケート調査について、計量経済分析を行い、心理的リアクタンスを発生させず、より説得効果の高いコミュニケーションの方法について定量的な評価を行う。その成果は、学会報告および論文として公表を予定している。 さらに、その分析結果より消費者の認知的・心理的要因が心理的リアクタンスに与える影響についてのモデルを構築し、それを踏まえて、消費者が、説得的コミュニケーションのどの部分に対し、どのような印象を持ったかなど、心理的な部分を詳細に聞くために、グループディスカッション、またはインタビュー調査を実施する予定である。
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