研究課題/領域番号 |
21H02365
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
松鵜 彩 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (40348595)
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研究分担者 |
藤本 佳万 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (20613631)
桃井 康行 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40303515)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | SFTS診断 / 抗体作成 / 動物のSFTS診断と治療 |
研究実績の概要 |
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニ媒介性の新興感染症であり、人獣共通感染症である。西日本を中心に発生が認められているが東日本への拡大も懸念されている。人および猫、一部の犬が重症化する傾向にあり、猫の致死率は約60%に昇る。発症した伴侶動物から人への感染事例もあり、飼主や獣医療関係者の感染リスクは公衆衛生上の大きな問題となっている。獣医療現場で使用できる迅速な診断系や、体内から速やかにウイルスを消失させる特異的な治療法の開発は、動物の救命率を上げるだけでなく人への感染リスク低減の効果も期待できる。 本研究では、動物のSFTSの発生状況を把握するとともに、動物において迅速かつ簡易的な診断法の確立、治療応用を目指した猫特異抗体の作成を目的としている。2022年度は簡易診断に用いる抗SFTSウイルス NPモノクローナル抗体を作成し、そのエピトープ領域を決定するための研究を遂行した。また前年度に作成した大腸菌発現SFTS Gn/Gcタンパク質を抗原としてマウスへ免疫し、複数のハイブリドーマを得ることに成功した。さらに長崎県対馬市において動物を対象とした疫学調査を実施し、希少動物であるツシマヤマネコにも抗体陽性例が存在することを明らかにした。 今後は抗SFTS-NP抗体を用いてより精度の高い簡易診断系を作成し、抗SFTS-Gn抗体の猫の治療応用に向けて研究を遂行する。また動物のSFTS発生状況について引き続き調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、2022年度は抗SFTS-NPモノクローナル抗体のエピトープ解析を予定していた。複数の大腸菌発現NPタンパク質を作成し、これを抗原としてエピトープ領域の特定を行う予定であったが、作成した抗原に対する抗体反応性が悪く、複数の手技により抗原精製を行う必要があったため期間を延長して実施した。
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今後の研究の推進方策 |
SFTS-Gnに対するマウスモノクローナル抗体の作成を実施し、中和活性を有する抗体が得られた場合には、塩基配列の決定と猫化抗体作成を試みる予定である。 SFTS-NPに対するマウスモノクローナル抗体を用いて、精度の高い簡易診断系の作成を行う。 国内における動物のSFTS発生について引き続き調査を実施する。
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