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2022 年度 実績報告書

比較病態モデルによる難治性ミエリン疾患のメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H02368
配分区分補助金
研究機関大阪公立大学

研究代表者

桑村 充  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20244668)

研究分担者 田中 美有  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 助教 (00756893)
井澤 武史  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (20580369)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードオリゴデンドロサイト / ミエリン / モデル動物 / 多発性硬化症 / 脱髄
研究実績の概要

近年,hnRNP A2/B1,TDP-43やp62などの異常がヒトの筋萎縮性側索硬化症のオリゴデンドロサイト(OL)において報告され,病理発生における輸送障害が疑われた.今回,hnRNP A2/B1,TDP-43とp62の発現の違いとOLの形態変化を調べるために組織学的解析を行い,VFホモ型発症ラットと野生型対照ラットとの間で比較した.
hnRNP A2/B1,TDP-43,p62およびLC3Bの発現解析:4 ,10 ,20 週齢のVFホモ型発症および野生型対照ラットの脊髄を採材し,hnRNP A2/B1,TDP-43,p62およびLC3Bの免疫組織化学染色を行った.その後,蛍光免疫染色法を用い,hnRNP A2/B1,TDP-43およびp62とグリア細胞マーカーの多重染色を行った.PDGFRα:4 ,10 ,20 週齢のVFホモ型発症および野生型対照ラットの脊髄を採材し,hnRNP A2/B1,TDP-43,p62およびLC3Bの免疫組織化学染色を行った.
hnRNP A2/B1およびTDP-43はすべてのグリア細胞の核内において発現していたが,その数にホモ型発症および野生型対照ラットの間に違いはなかった.10,20 週齢のVFホモ型発症ラットにおいて,小型円形核を有する未熟と考えられるOLの核密度が増加した.ホモ型発症ラットにおいて,細胞質内にp62陽性所見が認められた.この陽性所見が認められた細胞はOLIG2およびNkx2.2に陽性を示した.LC3Bの染色ではホモ型発症および野生型対照ラットに差は見られなかった.
以上より,hnRNP A2/B1およびTDP-43はVFラットにおける輸送障害に関連している可能性が低いと考えられた.一方、p62封入体形成により,ホモ型発症においてオートファージ不全の関与が疑われた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物の交配・繁殖成績に問題が生じているが,専門家のアドバイスを得ながら動物を維持している.VFラットの原因遺伝子dopey 1の機能を詳細に解析するために,新たにF344コンジェニック系統を確立し,病態の比較検討に加える予定である.

今後の研究の推進方策

新たにVFラットのF344コンジェニック系統を確立したので,原因遺伝子dopey 1の機能解析を進めていく予定である.VFラットのこれまでのin vivoの解析に加えて,in vitro解析を展開しており,病変進展のメカニズム解明を継続している.Aspaノックアウトラットの解析では,今後,詳細な電子顕微鏡解析を行う予定である.

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公開日: 2023-12-25  

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