研究課題
予定していたT. elongatusの組換え体のうち、最初の2年間では多コピーゲノムの20%程度が置き換わらずに完全な組換え体を完成させることができなかった。2022年度は構築アプローチを根本から大きく変更し、最終的に完成させることができた。得られた組換え体、および、既に得られている組換え体を大量培養して光化学系II複合体を精製し、水の酸化機能やP680の酸化還元電位を見積った。また、強光照射時に発生する一重項酸素量を調べ、光阻害についても調べた。
2: おおむね順調に進展している
申請時に作製を予定していた6つの組換え体のうち、4つは既に完成できていたが、2つについて完全な組換え体を得るのに2年間苦戦した。3年目は新たに開発した構築アプローチで行ったところ、組換え体作製を完了することができた。出来上がった組換え体から予定していた機能解析を進めており、概ね順調に進んでいるといえる。
3年目に予定していた組換え体を全て得ることができたので、本年度はこれらを用いて主に光化学系IIにおける励起と電荷分離の反応機構を明らかにする。そのために下記を行う予定である。1) P680の酸化還元電位変化の測定:S2QA-電荷再結合時に得られる熱発光スペクトル法で、野生型の光化学系IIの結果と比較して変化した温度変化から、組換え体のP680の酸化還元電位を見積もる。2) P680クロロフィルの正電荷分布の評価:4分子全体の正電荷分布評価を励起光照射後の吸収スペクトル測定によって行う。3) 光阻害条件下におけるP680の反応4) P680→Pheoの電子移動速度の解析
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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