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2021 年度 実績報告書

雄因子と共に配偶子膜融合を担う雌因子の同定と解析:重複受精分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H02517
配分区分補助金
研究機関千葉大学

研究代表者

井川 智子  千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (00360488)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード重複受精 / 受精因子 / 配偶子膜融合
研究実績の概要

被子植物の有性生殖では、2つ形成された雄の精細胞が1つずつ、雌の卵細胞・中央細胞とそれぞれ融合する「重複受精」を行う。この重複受精は、雌雄配偶子上に存在する膜タンパク質によって制御される。2006年に同定されたGCS1(Generative Cell Specific 1)は精細胞特異的な膜タンパク質で、卵細胞及び中央細胞との細胞膜融合因子として機能することが知られている。シロイヌナズナではゲノム上に1コピー存在しており、欠損するとまったく受精ができなくなるため、受精必須因子であることが分かっている。GCS1にはC末端側に膜槓子領域が1つ存在し、N末端側の細胞外領域が受精に重要である。
本研究は、膜貫通領域を欠損させたGCS1バリアント(GAH)を人工的に雌の卵細胞で発現・分泌させる手法によって卵細胞由来のGCS1相互作用因子を捕捉し、プロテオーム解析を終えた段階からスタートした。当該年度では、膜局在の性質の可能性や、雌ずい組織での発現報告があるものを候補として、同定タンパク質から解析対象を複数種選定した。これらについてゲノム編集による遺伝子破壊株の作製、発現細胞を蛍光タンパク質で評価するための組換え体作出を行った。その結果、雌性配偶子膜での局在を示す因子や、ゲノム編集後に種子結実率の低下を示す因子が見出された。また、解析対象に選んだ候補タンパク質との相互作用解析を行うため、クローニングとin vitroタンパク質翻訳を行った。GCS1との相互作用解析を行った結果、GCS1との結合を示唆するタンパク質種が含まれていた。当該年度で得られた結果について、今後再現性を評価するとともに、新規候補を追加して同様の解析を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は受精制御に関わる新規因子の同定を目標としている。当該年度では候補タンパク質が受精に影響するか否か、及びGCS1との相互作用の確認を目的に進めてきた。これまでに雌性配偶子での局在を示す因子や、変異が入ると種子発達の異常を引き起こす因子、GCS1との相互作用を示唆する因子が確認されているなど今後の研究展開に繋がる結果が得られており、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

当該年度では複数種の候補因子について、雌性配偶子での局在を示す因子や、変異が入ると種子発達の異常を引き起こす因子、GCS1との相互作用を示唆する因子が確認されているなど今後の研究展開に繋がる結果が得られている。今後はこれらの再現性を確認するとともに、受精への影響を細胞学的に評価する。また、プロテオーム解析結果の中からさらに解析候補を追加して、同様の評価を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 融合因子GCS1を導入したシロ イヌナズナduo1変異体の評価2021

    • 著者名/発表者名
      芝 有香, 井川 智子
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
  • [学会発表] 精細胞膜上に存在する受精因子GCS1の雌側パートナー因子探索2021

    • 著者名/発表者名
      三室 周, 高橋 太郎, 杉本 迅, 井川 智子
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会

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公開日: 2022-12-28  

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