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2022 年度 実績報告書

消化管内因子によるヒトノロウイルスの感染性活性化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H02743
配分区分補助金
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

村上 耕介  国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (60586973)

研究分担者 片山 和彦  北里大学, 感染制御科学府, 教授 (60342903)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードノロウイルス / オルガノイド
研究実績の概要

ウイルス中空粒子(virus-like particle: VLP)のクライオ電子顕微鏡による構造解析の結果、ヒトノロウイルス(human norovirus: HuNoV)は環境に応じて粒子構造が変化し、それにより感染型・非感染型の相互切り替わりが示唆された(Song et al, PLoS Pathog, 2020)。この結果を受け、HuNoVが経口にて侵入した際に何かしらの処理を受けると予想し、胃酸によるpHが重要な因子となる可能性を考えた。そこで本年度は、人工胃酸によるHuNoV感染性への影響を解析した。人工胃酸(pH 1)もしくはコントロール溶液(塩のみ)を1:1となるようにウイルス溶液へ添加し、37℃で1時間保温した。その後に超遠心分離でウイルスを回収し、ヒト腸管オルガノイドに感染させた。その後72時間後に細胞と培地からRNAを抽出してリアルタイムPCRでウイルス量を評価した。その結果、コントロール溶液処理サンプルではウイルス増殖が認められたが、人工胃酸処理サンプルでは認められなかった。目視による細胞死は観察されなかったことから、胃酸によりウイルスが損傷したことが考えられた。そのため人工胃酸の原液に加え、100倍および10,000倍希釈したものをウイルス溶液と混合したところ、10,000倍希釈液処理サンプルではウイルス増殖が認められたが、100倍希釈液処理サンプルでは認められなかった。本研究では不純物をほぼ含まない溶液中での反応であったことから、実際の胃の中を模した系が必要になると考えられた。
HIO移植マウスへの感染実験に向けた準備として、本年度はウイルス接種および採便の手技をC57BLを用いて確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言研究のために研究室の使用が制限されたことから、研究への影響が生じた。研究に用いるヒトノロウイルス陽性検体が確保できなかったことから、感染実験の遂行が制限された。

今後の研究の推進方策

消化管内因子として、トリプシンも含む様々な消化酵素のカクテルを検討する。HIO移植マウスへの感染実験を加速させる。実験に供するヒトノロウイルス陽性検体をさらに確保するための整備を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ベイラー医科大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ベイラー医科大学
  • [学会発表] Role of the sphingosine-1-phosphate receptor 2 in human norovirus infection.2022

    • 著者名/発表者名
      Tenge R Tenge, B Vijayalakshmi Ayyar, Khalil Ettayebi, Kosuke Murakami, Xiomin Yu, Frederick H Neill, Robert L Atmar, Mary K Estes.
    • 学会等名
      41st Annual Meeting of the American Society for Virology
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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