研究課題/領域番号 |
21H02822
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
臼井 丈一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70447340)
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研究分担者 |
錦井 秀和 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30512834)
山崎 聡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50625580)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 内科 / 加齢性疾患 / 臓器老化 / 骨髄臓器連関 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
骨髄老化による加齢性疾患発症や固形臓器老化の可能性検証を目的としている。 A.骨髄老化と加齢性慢性疾患発症進展メカニズムの解明:2腎臓病モデルで老化の影響を確認し骨髄移植実験の準備を進めた。うちBSA誘発膜性腎症モデルで加齢依存性発症進展を確認し、若齢老齢群の条件設定が完了した。研究分担者の開発した骨髄移植を用い若齢老齢骨髄×若齢老齢レシピエントの4 群作成での骨髄移植の条件設定を進めた。老齢骨髄移植を可能とするPVA培養液を用いた造血幹細胞の生体外増幅実験は国際共同で報告済みである。他の臓器疾患モデルへ展開し骨髄/臓器老化の臓器障害への関与を検証するべく、準備を進めている。 プロジェクトB. ヒト骨髄移植患者における加齢性疾患発症の文献的検証:プロジェクトAと関連したヒト疫学的検証を文献的に行う。同種骨髄移植実施後長期生着している患者における各種の加齢性疾患の頻度、障害程度との関連性を文献的に検討している。 プロジェクトC.骨髄移植を活用した高齢マウス臓器の若返り研究(補助プロジェクト):令和3年度までの国際共同(B)ではヒトドナー臓器不足を補う目的で、移植大国米国を含む国際共同研究として高齢ドナー腎臓の若返りを検証してきた。ヒトドナー移植腎組織のP16発現を加齢性指標とし、移植時組織では年齢と関連性を検討した。ドナーレシピエント年齢ギャップと移植腎組織の加齢指標P16発現の変化、移植腎機能変化との関連性を検討したところ、ドナーレシピエント年齢ギャップの腎機能への影響を確認し、論文投稿中である。今後米国サンプルやマウスモデル実験へと展開する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた海外研究施設への出張の大半がCOVID-19感染による渡航自粛に伴い、不可能となった。そのような世界情勢の中で、国内での実験、サンプル使用を中心に研究を進めた。そのため、プロジェクトAは計画を修正、代替(プロジェクトC)実施することによりおおむね順調に進捗している。臼井、山崎を中心に複数の関連する課題の成果報告も実現し、目的を達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
加齢性疾患発症や臓器老化のメカニズムの一端を解明し、臨床医学研究に還元することを目標として、腎臓病病態や腎臓老化の解明や移植におけるドナー腎臓の若返りを念頭に置き、引き続き同様のテーマに則し研究を進捗する予定である。研究のための海外渡航が許可される世界情勢となり次第、速やかに共同研究を進めるべく海外施設での活動を再開する。それまでは研究進捗に支障のないように、国内で可能な限りの代替研究として進めることで対処する。プロジェクトAの骨髄幹細胞老化と加齢性慢性疾患発症・進展メカニズムの解明プロジェクトを中心に、全プロジェクトを進め、国際共同研究へさらに大きく展開していく方向性に変更はない。
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