研究課題/領域番号 |
21H02864
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
酒井 真理 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (70727338)
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研究分担者 |
大野 達也 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10344061)
村田 勲 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30273600)
PARAJULI RAJ・KUM 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 技術員(任常) (80784719)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コンプトンカメラ / 重粒子線治療 / BNCT / 中性子 / 即発γ線 |
研究実績の概要 |
まず重粒子線治療装置で発生する中性子を利用して、熱中性子場の作成を試みた。モンテカルロ・シミュレーションを用いて、発生する中性子を減速させ、γ線と高エネルギー中性子を削減しつつ熱中性子フラックスを高める照射系について検討した。具体的にはアクリルフ ァントムに重粒子線を照射し、ビーム軸方向に発生する高エネルギー中性子を鉄で散乱させつつ、側方に発生する中性子を利用する体系とした。側方では主に鉛を用いてγ線と高エネルギー中性子を遮蔽した。その後、ポリエチレンを用いて中性子を熱化させた。ポリエチレンや鉛などの配置を様々比較し、熱中性子側が高く、γ線や高速中性子の混入率を抑制する体系を選定した。 本学重粒子線治療室にシミュレーションの検討結果通りに実験体系を構築し、高い熱中性子フラックスが得られることを確認した。また、そこにホウ素サンプルを設置することによってホウ素中性子捕捉反応を生じさせ、そこから発生する即発γ線を測定できることを確認した。シミュレーションとの詳細な比較や、イメージングに必要な測定時間の検討などを行っていく必要がある。 データ解析手法の改善案として、イメージングプログラムの改良を検討している。また、一部のデータ選定手法を変更することによって、ノイズデータを削減できることが確認できた。 中性子スペクトルの測定は、予備データが得られている。当初予定の測定方法に加えて、いくつかの追加測定方法も検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規の真空断熱材をコンプトンカメラに組み込んだ後も、コンプトンカメラの性能を維持することができている。また、重粒子線治療装置を用いて熱中性子場を構築することにも成功した。データ解析手法の解析は準備を進めており、予定通りに改善できる見込みである。また、中性子スペクトルの測定方法についても、当初想定の測定手法に加えていくつか検討を進めており、より詳細な検討が行えるものと期待している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はコンプトンカメラによって即発γ線のイメージングが行えることを検証する。AmBe中性子源を用いた先行研究では、3時間程度の測定が必要であった。まずその先行研究を参考に、混入するγ線の比率などから測定に必要な測定時間を算出する。また、昨年の予備測定では中性子フラックスが十分に高く(1.5e3n/sec/cm2)、検出器のDeadTimeが大きくなっていたことから、熱中性子フラックスの減少を許容しつつ高エネルギー中性子やγ線の混入比率を下げる実験体系の改造にも取り組みたいと考えている。具体的には減速剤の一部をポリエチレンから炭素に切り替えることや、水素からの高エネルギー即発γ線に対する遮蔽を設置する。また、散乱体を増加させることにより、中性子の集中性を高める。 さらに昨年度はモンテカルロ・シミュレーションにより算出した空間分解能について、実証的に確かめることに挑戦する。現時点では限られた中性子フラックスしか得られないが、数mm程度の薄いホウ素ターゲットを複数を作成し、これを並べることによって空間分解能を評価したいと考えている。もしこの実験が難しい場合には上記ターゲットを5mmずつ移動させながら測定し、その測定画像の重心位置との相関から、位置評価精度を算出することも検討する。
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