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2021 年度 実績報告書

中皮腫における細胞系譜構築による新規治療法の探究と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 21H02927
配分区分補助金
研究機関順天堂大学

研究代表者

高橋 和久  順天堂大学, 医学部, 教授 (80245711)

研究分担者 鈴木 健司  順天堂大学, 医学部, 教授 (10415523)
眞鍋 理一郎  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (30280837)
田島 健  順天堂大学, 医学部, 准教授 (50384102)
高橋 史行  順天堂大学, 医学部, 准教授 (70327823)
光石 陽一郎  順天堂大学, 医学部, 助教 (10647001)
高 遼  順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (60795178)
柳下 薫寛  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (80781674)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード中皮腫 / 腫瘍内不均一性 / シングルセル解析 / エピジェネティクス
研究実績の概要

本研究の目的は、「長期に渡り新規治療法が開発されていない中皮腫における新規治療標的の同定と機能解析ならびに臨床応用」である。近年のがんの予後改善に大きく寄与したものは、次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析により、ドライバー遺伝子変異に対する分子標的薬の開発であった。しかし中皮腫ではこれらの変異は同定されず、分子標的薬の開発は皆無であり、新規治療法の開発が遅々として進まない。近年の大規模網羅的研究から、中皮腫は治療抵抗性に関与する極めて強い腫瘍内不均一性がみられ、その原因としてエピジェネティクスの関与が想定される。本研究では、同一細胞から遺伝子発現とクロマチンの状態をシングルセルRNA-seqとシングルセルATAC-seqを用いて直接比較解析し、細胞分化の軌道を描くことにより治療抵抗性サブクローンの起源と分化の追跡を行う。この解析により近年新たな治療標的として注目されているエピジェネティクスに対する中皮腫の新規治療法の確立を探究する。
①細胞株を用いたシングルセル解析を行う。臨床検体を使用する前に中皮細胞株で細胞系譜が構築できるか検証するために、同一患者より採取され樹立された形態的に異なる(上皮様・肉腫様・中間)3つの腹膜中皮細胞 (HOMCs)を使用している。本研究ではシングルセルRNA-seqによりサブクローンをクラスタリングし細胞系譜を作成するが、これと並行してゲノム全領域の中でプロモーターやエンハンサーなどの遺伝性制御にかかわるオープンクロマチン領域だけを識別可能なシングルセルATAC-seq解析も施行する。
②臨床検体を用いたシングルセル解析を行う。診断時に大多数の症例において胸水貯留がみられるため、手術検体を使用する前に胸水を用いてシングルセル解析の最適化を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画に対して研究を進め、本年度は細胞株を中心にシングルセル解析を行っている。3つの細胞株は似通っているが、特徴的なクラスの存在も明らかになった。また臨床検体においても最適化を図っており、これらの結果から計画に則り研究は進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

①細胞株を用いたシングルセル解析
同一患者より採取され樹立された形態的に異なる(上皮様・肉腫様・中間)3つのHOMCsを用いてシングルセル解析を行っている。細胞株であり、それぞれのクラスタは似通っているが、特徴的なクラスタの存在が明らかになっており、このクラスタの由来を検討していく。またデータベースから既知の中皮細胞を抽出して、HOMCsと比較をしていく。
②臨床検体を用いたシングルセル解析
胸水検体を採取して核抽出を行っているが、保存の手法で著しくDNAとRNAのクオリティが異なるため、複数の保存方法を試し最適化を図っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 悪性胸膜中皮腫におけるLSD1阻害による間葉系を標的とした新規治療戦略2022

    • 著者名/発表者名
      田島 健
    • 学会等名
      日本石綿・中皮腫学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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