研究課題/領域番号 |
21H02984
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
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研究分担者 |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
笠原 勇矢 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, サブプロジェクトリーダー (10740673)
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50589786)
清水 大 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50723037)
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80243252)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 胃癌 / アンチセンス核酸医薬 / Transcriptome解析 / 細胞接着因子 / コンパニオン診断 |
研究実績の概要 |
本研究では、細胞接着因子を標的としたアンチセンス核酸医薬による新たな胃癌分子標的治療薬およびコンパニオン診断技術開発を目指して実験を進めている。令和3年度は、以下の進捗を得ている。 1) アンチセンス核酸スクリーニング:アクセス効率を最大化するmRNAの二次構造予測システムを用いて候補配列をデザインし、29配列の中からノックダウン効率とin vitroでの胃癌細胞機能阻害効果から2つの有望配列を取得した。これら配列については、標的分子の発現レベルが低い癌細胞では抑制活性を示さず、オンターゲット活性であることも確認できている。 2) メカニズム解明:同分子阻害の作用機序を調査している。2つの有望アンチセンス核酸配列を用いた標的細胞接着因子ノックダウンにより、胃癌細胞接着能および浸潤能が低下することを明らかにした。標的細胞接着因子無発現癌細胞株であるKATOIIIに対して標的分子の強制発現を行うと、胃癌細胞の増殖能が増強した。細胞内シグナル伝達系のリン酸化状態を網羅的に調査可能なPTM Scanを用いてアンチセンス核酸による標的細胞接着因子ノックダウン前後の細胞内シグナルの変化についてデータを得た。 3) in vitro活性評価:選抜した有望アンチセンス核酸配列の濃度依存性なin vitro細胞増殖能阻害活性について、0.25nMから800nMの濃度域で検証した。このデータをもとに、翌年度以降のin vivo解析の投与量を設定していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、序盤での有望配列スクリーニングが速やかに完了し、取得した2配列を用いた基礎データの構築が順調に進んだ。in vivo毒性テストの結果をみるまでは最終配列決定には至らないが、これら2配列を主軸に研究計画を進めていく。また、シグナル解析の第一歩としての網羅的リン酸化解析のデータを取得できたため、翌年度以降に再現性確認を含めて詳細に検討していく。標的細胞接着因子の阻害が生体に致命的な影響を与えないかを調べるためのノックアウトマウスの合成にも着手した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は順調に推移しており、当初の計画に沿って令和4年度も研究を進めていく。メカニズム解明(担当:研究代表者 小寺、研究分担者 神田、清水)として、癌細胞の転移能や薬剤抵抗性に重要である癌幹細胞性について調査する。アンチセンス核酸による標的分子ノックダウン前後でのスフェロイド形成能について調べる。また、胃癌を含むさまざまな固形癌におけるkey drugである5-FUおよびシスプラチン感受性への影響についても解析する。令和3年度にPTM Scanで抽出された候補シグナル系に着目してwestern blotting法で詳細に検討する。ゲノム編集技術を用いたノックアウトマウスを樹立する。 ついで、in vitro活性評価(担当:研究分担者 神田)も拡大する。選抜配列を用いて、癌種横断的(食道癌、膵癌、大腸癌、肝癌、乳癌)に細胞株に対する細胞増殖阻害能をin vitroで調べる。in vivo活性評価(担当:研究代表者 小寺、研究分担者 清水)として、有望2配列のマウス皮下腫瘍モデルに対するアンチセンス核酸腹腔内投与での造腫瘍能抑制効果を評価する。
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