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2022 年度 実績報告書

骨細胞由来膜小胞と生活動作下での破骨細胞活性化の関連性解析

研究課題

研究課題/領域番号 21H03050
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

苅谷 嘉顕  東京大学, 医学部附属病院, 薬剤主任 (20633168)

研究分担者 池淵 祐樹  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20645725)
本間 雅  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60401072)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードRANKL / 骨細胞 / 生活動作
研究実績の概要

2022年度のin vitro解析を中心とした各種検討によって、骨細胞モデル細胞株であるMLO-Y4細胞においてRANKLの発現量が生体内において基底状態にて起こり得る特定の刺激に応答して変動すること、この変動は特定の培養条件にしたときに顕著に認められることを見い出した。同様の傾向は、骨細胞と同様の系列の細胞であり、骨細胞の前分化段階である骨芽細胞においても確認された。これらの検討から、現在注目している刺激惹起物質が、多様な骨芽細胞系細胞のRANKL発現量を上昇させる重要な物質であり、生理的な破骨細胞活性化にも寄与している可能性が十分に考えられる状況となった。一方で、これらの検討において着目している刺激は、その刺激を起こす物質としての安定性を考慮すると、極めて短期間でその効果が消失すると予想されにも関わらず、RANKL発現量の変動は、刺激惹起物質の安定性を明らかに上回る時間が経過した後に出現することも見出した。そのため、現在注目していた上記の刺激惹起因子の生体レベルにおける骨代謝への影響を直接評価することと同等、あるいはそれ以上に、この刺激惹起因子が骨細胞あるいは骨芽細胞にもたらす影響の詳細な機構解明が、生活動作下での骨代謝制御機能の理解に必要であると考えられた。これまで報告されている文献情報では、このタイムラグを十分説明し得る情報が得られなかったため、ますは上記のRANKL発現変動に関するタイムラグが発生するメカニズムの解明を優先し、関連する解析をin vitro解析を中心に進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初は、注目している因子のin vivoレベルでの影響解析へと発展させる研究展開を想定していたが、in vitroに関して想定とは異なる重要な知見の発見に至り、その知見の背後の機構解明に注力している。本研究課題で主目的としてる、「生活動作下での破骨細胞活性化機構」の理解の上で、極めて重要な情報を見出した点を踏まえると、想定とは異なるものの、研究全体としては、順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

2022年度の研究において見出した、刺激惹起物質とRANKL発現量制御のタイムラグは、そのラグを生じさせる何らかの介在機構の存在を強く示唆している。そこで、生活動作下での骨代謝回転の維持機構の全体像の解明を目的に、上記記載のタイムラグを発生しうる分子機構に関するin vitro解析に注力することとする。具体的には、現在注目している刺激惹起物質を、初代培養骨細胞や初代培養骨芽細胞に対して添加したのちの、細胞内シグナルの活性化状態をオミクス手法などを活用し、精査する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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