研究課題/領域番号 |
21H03061
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
井上 真輔 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80403905)
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研究分担者 |
若槻 明彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90191717)
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
篠原 康一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50314993)
池本 竜則 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40448387)
尾張 慶子 (大畠慶子) 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90321736)
西須 大徳 愛知医科大学, 医学部, 助教 (70624625)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 慢性痛 / 更年期障害 / 性ホルモン / 中枢神経感作 / インターネット調査 |
研究実績の概要 |
本研究では臨床の「ホルモンバランス の異常」と「関節・筋・腱など運動器の痛み」に着目して、更年期における不可解な慢性 痛の治療の端緒を探るべく、一般市民を対象とした疫学研究と婦人科のホルモン療法患者を対象とした神経生理学的研究などの集学的研究を行っている。 研究ユニットはこれまでに、名古屋学院大学理学療法学科の城准教授を新たに研究協力者として迎えて、これまでに我が国で行われた慢性の痛みに関する疫学調査、女性更年期に関する疫学調査、ウィメンズヘルスや女性の就労問題に関する疫学調査など先行研究の文献を渉猟し、ホルモン関連疼痛に関する文献的エビデンスのレビュー作業を行い、痛み関連領域と女性医学領域の専門家が協力して課題を抽出してきた。女性特有の課題(月経、妊娠、出産、産後復帰、育児、更年期障害等)に関連する痛みの実態、ADLおよびQOLに与える悪影響などに加え、痛みによる就労における問題、そして社会損失などを明らかにするための質問項目の抽出作業を繰り返してほぼ質問項目の選出が修了している。今後インターネット調査会社マクロミルへ調査依頼を行う段階にある。 研究Ⅱでは、現在、4種類のQST測定機器(機械刺激:QuantiPain;、コマンダーエコー アルゴメータ MF-CM307、SBMEDIC Electronics社 アルゴメータ Type2、熱刺激:MEDOC社 Q-senseおよびTSA-II)のデモを繰り返して、本研究に最も適した機器の選出作業を行っている。現在のところ、安定した測定を重視するのであればSBMEDIC Electronics社アルゴメータ Type2が 、データ比較や研究の発展性を考えると高知大学の開発したQuantiPainが有力な候補と考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの経過は計画道理進行しており。研究は順調に推敲できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本研究により、Ⅰ.一般市民における更年期障害と痛みの問題の全体像と実態を明らかにして、更年期関連疼痛の予防・啓蒙活動を行い、Ⅱ. 婦人科の更年期障害患者とノーマルボランテイアで神経生理検査により痛みのメカニズム解析する。 Ⅰ-1. 調査では婦人科と協同して、就労年代に対するインターネットを介した全国規模の疫学調査を立案した。インターネットによるアンケート調査は第三者機関のMACROMILL, INC を通じて日本全国から幅広く回答を収集、有効回答数5000人を目標とする。調査はスクリーニングの予備調査(5問)と本調査(40問)を行い、痛み科と婦人科のエキスパートが協議して質問項目を抽出する。特に、更年期のホルモンバランスの変調に起因する女性の身体兆候、例えば生理痛、生理の期間、出血量、回数などの変遷、乳房の張りやリビドーなどの心理面を含めて、女性の性周期やライフサイクルが筋骨格系の疼痛の発現タイミングとどのように関連しているか調査する。加えて更年期関連疼痛の有訴率、痛みの詳細、増悪寛解因子、自律神経症状との相関、閉経など性ホルモン因子、ADL・就労障害などについて調査して、更年期世代における痛みについて国民的基礎データを収集する。 性ホルモンの変動に伴って痛みの感受性・過敏性がどのように変化するのかを調べ、痛みの広汎化慢性化の機序に迫る。本研究では、名古屋学院大学リハビリテーション学部に所属する女子学生20名を対象に、四肢近位筋で定量的感覚検査(quantitative sensory testing: QST)を行い、ホルモンの変調に伴う中枢神経感作の状況を調べる。本研究では。繰り返し刺激による時間的荷重で痛みに対する過敏性、脊髄後角における中枢性感作をQST機器を用いて評価する、
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