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2021 年度 実績報告書

アネルギー誘導によるVogt-小柳-原田病ぶどう膜炎治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21H03097
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

二木 陽子  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (30342819)

研究分担者 大西 暁士  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (70569102)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードVogt-小柳-原田病ぶどう膜炎 / 自己免疫疾患 / アネルギー / 治療薬開発 / iPS細胞 / インビトロモデル
研究実績の概要

フォークト―小柳―原田病(VKH)ぶどう膜炎は、メラノサイトおよび網膜色素上皮細胞が免疫細胞によって攻撃される自己免疫疾患であり、免疫抑制が治療となる。免疫抑制の機序の一つにアネルギーの誘導がある。アネルギーとは、特定の抗原に対して免疫細胞が不応になる状態で、人為的に誘導することができれば、自己免疫疾患の治療薬としては安全性と効果持続性の点から理想的である。自己免疫疾患に対するアネルギー誘導の効果は動物実験で報告されているが、いまだ臨床応用に至っていない。本研究では、患者由来iPS細胞から作製したメラノサイトを用いてアネルギーを誘導するペプチドを設計し、患者特異的な自己免疫疾患治療薬の開発を試みる。
そのために令和3年度はVKHぶどう膜炎のインビトロモデルを構築することを目標に、患者由来iPS細胞よりVKHの標的細胞であるメラノサイトの作製を試みた。既存のプロトコールではヒトiPS細胞からメラノサイトの分化誘導が実現できなかったため、プロトコールを改良して3次元培養系に一過性に骨形成因子4(BMP4)を添加する等の工夫をし、メラノサイトのマーカーであるチロシナーゼおよびMITFの遺伝子発現を定量PCR法により確認した。しかし、個々の細胞の蛋白発現をFACS法をもちいて検査すると、メラノサイトの特徴の一つであるIFNγ刺激に応答したMHCクラスIIの発現を示した細胞は全体の5%程度であり、純度において問題があることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度はヒトiPS細胞からメラノサイトを分化誘導し、患者血球細胞との共培養によるインビトロモデル構築までを完了する計画でいたが、メラノサイト様細胞への分化が一部の細胞で確認され分化誘導法の方向性の正しさは確認できたものの、誘導効率が悪く、インビトロモデルとして使用するには細胞の純度に問題があることが判明し、さらなる試行錯誤が必要になったため。

今後の研究の推進方策

ヒトiPS細胞からメラノサイトを分化させる手法は令和3年度に確立した方法を使用する。分化誘導後に得られた細胞群の純度を上げるために、メラノサイトがIFNγ刺激に応答して細胞膜表面蛋白であるMHCクラスIIの発現を示すという性質を利用して、IFNγ刺激後に抗MHCクラスII抗体で細胞膜表面染色をし、セルソーターによってMHCクラスII陽性細胞だけを単離培養し、メラノサイト様細胞群の純化を試みる。
インビトロモデル構築ののち標的抗原の探索をおこない、本研究の目的であるアネルギー誘導ペプチドの設計をおこなう予定である。当初の計画では文献等から標的抗原候補を絞り込んで試行錯誤により標的抗原の探索をおこなう予定であったが、もし自己抗体が存在すればその自己抗体が認識する蛋白がすなわち標的抗原であるので、標的抗原探索の効率を上げるためにまずは患者血清からメラノサイトを認識する自己抗体の同定を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] IN VITRO MODEL OF AUTOIMMUNE DISEASE MADE FROM PATIENT DERIVED IPS CELLS2021

    • 著者名/発表者名
      Yoko Nakai-Futatsugi, Sunao Sugita, Masayo Takahashi
    • 学会等名
      ISSCR/JSRM 2021 Tokyo International Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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