研究課題/領域番号 |
21H03132
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津賀 一弘 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60217289)
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研究分担者 |
吉田 光由 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50284211)
吉川 峰加 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (00444688)
森田 晃司 広島大学, 病院(歯), 助教 (30555149)
大上 博史 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (70711307)
岡田 信輔 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (20736558)
森 隆浩 広島大学, 病院(歯), 助教 (70760007)
竹内 真帆 広島大学, 病院(歯), 助教 (00397944)
丸山 真理子 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (80613041)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 口腔機能低下症 / 舌圧 / 低舌圧 / 舌運動訓練 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は、特に低舌圧の早期診断と介入に着目し、前期高齢者を対象として、最長4年の縦断研究により舌運動訓練の口腔機能低下症予防効果を明らかにすることを目的とし、計画した。口腔機能低下症に関しては、多数の研究が行われているが、口腔機能低下症の予防および治療については、未だ確立されていないのが現状である。その原因として、口腔機能低下症の異なる機能の低下を原因とする多様な病態と、各機能に応じた管理・治療の必要性が挙げられる。そこで本研究では、口腔機能低下症の精密検査うち、科学的根拠が確立しており、研究代表者が中心となって開発した検査である舌圧検査に特に着目した。低舌圧の診断基準はいくつかの大規模な研究に基づいて30 kPa未満と提唱されており、低舌圧に対する舌トレーニング用具も医療器具として上市されているが、正しく計画された介入研究は未だ無い。 本研究では、各種舌運動訓練の効果を明らかにするため、対照群と3種類の実験群(実験群①:舌トレーニング用具を用いる群、実験群② 棒付きキャンデーを用いる群、 実験群③ 舌トレーニングアプリを用いる群)の合計4群に同じ割合で低舌圧被験者と境界域被験者を応募順に順次割り付け、介入研究を開始する予定であった。 しかしながら、実験群①②③すべての群において先行研究がほとんどないため、まずは先行して実験群①舌トレーニング用具を用いる群の全数調査を行い、その後、実験群②③の介入研究の被験者数を決定する必要があるとの広島臨床研究開発支援センターの指摘を受け、研究計画の順番を変更した。また、介入期間および統計学的分析に関しても同センターの専門家の意見を取り入れブラッシュアップを行い、現在特定臨床研究を申請しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、対照群と3種類の実験群(実験群① 舌トレーニング用具を用いる群:PP群;最大舌圧の85%程度の負荷で6回、舌トレーニング用具(ペコぱんだ、ジェイ・エム・エス)を押しつぶす訓練を1日3回行う)、実験群② 棒付きキャンデーを用いる群:CC群;Kawanoら(2018)の報告をもとに、訓練用飴として棒付き飴(チュッパチャップス)を各月4週について週3日、1日1個、随意的最大労作で10分間舐める訓練を指導する、実験群③ 舌トレーニングアプリを用いる群:TA群;新規に上市された舌圧レベル表示器(ペコじーな,ジェイ・エム・エス)と2種類の専用ゲームアプリ(「下駄飛ばし」および「釣り」ゲームを用い、各月4週について週3日1日1回両方のゲームを行う)の合計4群に同じ割合で低舌圧被験者と境界域被験者を応募順に順次割り付け、介入研究を開始する予定であった。 しかしながら、実験群①②③すべての群において先行研究がほとんどないため、まずは実験群①舌トレーニング用具を用いる群のみでの全数調査を行い、その後、実験群②③の介入研究の被験者数を決定する必要があるとの広島臨床研究開発支援センターの指摘を受け研究計画を変更した。また、最長4年の介入に関しても、特定臨床研究としての介入期間決定に関する指摘があり修正したため、当初の計画より進捗がやや遅れており、現在特定臨床研究を申請中である。必要機器や材料については、確実に準備を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、現在申請中である実験群①舌トレーニング用具を用いる群の特定臨床研究の承認が得られたら、広島大学病院内にポスターを掲示することにより、前期高齢者(65-74歳)で、広島大学病院に来院が可能な被験者を公募する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況が許せば、関連医療施設、公民館等にもポスターを掲示し被検者を公募する計画である。介入は半年間、観察期間を含め1年間の研究期間を予定している。その後の経過については、改めて3年間の観察研究を申請、実施する計画とした。 実験群①に関する特定臨床研究の遂行と並行して、実験群② 棒付きキャンデーを用いる群および実験群③ 舌トレーニングアプリを用いる群についても特定臨床研究承認を目指し研究を計画しており、準備が整い次第申請、実施する予定である。
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