研究課題/領域番号 |
21H03133
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
熱田 生 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (30423487)
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研究分担者 |
神野 洋平 九州大学, 大学病院, 助教 (40507779)
上田 将之 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (40847985)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 特別教員 (50195872)
鮎川 保則 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50304697)
鬼村 由梨 (松浦) 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員 (80778837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 薬剤関連顎骨壊死 / 間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
薬剤関連顎骨壊死(medication related osteonecrosis of the jaw: MRONJ)は歯科口腔領域において侵襲の大きな病変にも関わらず未だ治療法が確立されていない。そこで我々は間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell: MSC)によるMRONJ治療をめざし、今まで研究を続けてきた。本研究では、1)MRONJの病因の一つは異常なMSCの不良ミトコンドリア、2)MRONJ下に存在する異常なMSCはミトコンドリア交換で治癒できる。そして3)細胞自体ではなく、ミトコンドリアを対象とした治療でMRONJを治せることを示したい。 MSCの投与がMRONJを治療することはすでに報告がある(Kikuiri 2011; Atsuta 2013)。しかしMRONJの発症メカニズムが不明である以上、MSCによるMRONJ治療の詳細も明らかにされていない。本研究ではMSCのミトコンドリアに注目し、細胞自体ではなく細胞小器官であるミトコンドリアを対象とした治療の可能性を示すことが目的である。ミトコンドリアに注目してMSCによる疾患の制御を解明すること自体が、学術的独自性や創造性が高いと思われる。また本件研究によって得られた結果は、MRONJに留まらず種々の疾患の新たな治療法として提案できる可能性がある。 本研究ではMRONJモデルにおけるMSCの異常性を示すことが重要である。すでに我々の研究室ではMRONJモデルから採取したMSCにおいて分化能の低下や増殖能の亢進などは示せているため、次の段階としてミトコンドリアの異常性について示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以前の研究ペースから考えるとやや遅延している。ただし新型コロナ感染症の蔓延に伴う研究の遅延も考慮していたが、当初の予定ほど影響を受けなかった。そのため相殺して概ね順調な進展をしていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に病態モデルにおけるミトコンドリアの異常性について示すことが出来た。今年度からは具体的な異常性を示したい。突然変異したミトコンドリアと正常なミトコンドリアが積極的に融合し,正常なDNA やタンパク質などを相互交換することで変異DNA の比率を下げる現象が知られているため、これらを明らかにしていく。
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