研究課題/領域番号 |
21H03142
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大庭 伸介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20466733)
|
研究分担者 |
森石 武史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20380983)
松尾 友紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (40792601)
北條 宏徳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80788422)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 骨格系 / インディアンヘッジホッグ / エンハンサー |
研究実績の概要 |
1. 生理的・病的状態におけるIhh エンハンサーの生物学的意義の検証:前年度までに、エンハンサーAよびCのトランスジェニックレポーターマウスの胎仔において骨組織特異的なエンハンサー活性を認め、成体においては関節軟骨組織の変性に伴ってエンハンサー活性が上昇することを見出していた。そこで、当該年度では、ゲノム編集技術を用いて作製されたエンハンサーAおよびCそれぞれの欠失マウスの表現型解析をおこなった。しかしながら、生理的・病的状態ともに各エンハンサーの単独欠失による骨格組織の著明な異常を認めていない。エンハンサーA欠失マウス胎仔骨組織は野生型マウスと同レベルのIhhの発現が維持されていた。以上の結果から、生体においては安定的なIhh発現を達成するために、複数のエンハンサーによる協調作用や補償機構を介した頑強な発現制御システムが存在すると考えられた。今後は複数の候補エンハンサー領域を欠失させたマウスの解析を進める必要があると考えられた。
2. Ihhエンハンサーの活性化機構の検討:申請者らがこれまでに蓄積してきた骨・軟骨マスター転写因子群に対するクロマチン免疫沈降シークエンスの結果から、エンハンサーAに作用する転写因子候補を取得した。レポーターアッセイによりこれらの候補はエンハンサーAの活性を調節する可能性が示された。
3. エンハンサー活性を調節する生理活性物質の探索:エンハンサーAのレポーターコンストラクトを導入した細胞センサーを作製し、既存薬および既知薬理活性薬からなる化合物ライブラリーのスクリーニングを行った。その結果、エンハンサー活性を上昇あるいは抑制させる複数の候補化合物を見出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通りにエンハンサー欠失マウスの解析、エンハンサー活性化機構の検討、エンハンサー活性調節物質の探索に着手し、部分的にではあるが有望な結果が得られているため。
|
今後の研究の推進方策 |
エンハンサー候補領域の生物学的定義についてエンハンサー欠失マウスの解析をさらに進めると共に、当初計画に従ってエンハンサー活性化機構における転写因子間の相互作用、活性調節因子の絞り込みを進める。
|