研究課題
本研究では、わが国を代表する3つの大規模コホート研究である、CIRCS研究(対象者数約2万人)、JPHC研究(約10万人)、茨城県健康研究(約5万人)において、共通した手法を用いて、要介護認知症の発症追跡、分析データベースの構築、共通のカットポイントを用いた統計分析を行う。各コホートでは、研究開始時の健診成績などの古典的なリスク要因や食習慣など生活習慣要因のデータ、生理・生化学的検査や保存血液などがあることから、これらを網羅的に検討し、各コホートで統一した方法で解析する。さらに共通解析が可能な項目についてはメタ解析の手法を用いて約17万人を対象とする統合解析を行う。これらを順次公表し、若手研究者を中心に系統的に論文化を進める。これにより、わが国の保健医療の現場で役立つ認知症予防法に関するエビデンスを創出する。これらのメタ解析から得られるエビデンスは、基礎・臨床実験の結果を踏まえて解釈することにより、より強固なエビデンスとして位置づけることができる。本年度は、上述の3コホートにおいて、古典的なリスク要因について、統合分析を行うための分析を個々のコホートにおいて行い、それを中央に集約して予備的なメタアナリシスを開始した。また、個々のコホートにおいてデータ収集を続けるとともに、個別の分析結果の公表を進めた。上記3コホート以外のコホートについて、新たに2つのコホートの追加が可能となり、倫理手続きなどの準備を開始した。
2: おおむね順調に進展している
当初予定に従って、データの収集、蓄積が進んでおり、各コホートにおいて、それぞれデータベースの構築や個別の分析などが順調に進捗している。また、あらたなコホートの追加も見込まれており、当初予定よりも大規模な分析が可能となる可能性が高い。一部のコホートでは、研究者の指導の下、若手研究者を中心に分析結果を学会で発表し、論文化を進めている。
ひきつづき、各コホートにおいてデータの収集体制の維持・構築や、収集したデータの整理、データベース化、論文化を進める。令和4年度は、追加されたコホートについても本年度同様の分析を開始し、古典的なリスク要因についてのメタアナリシスを進める。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
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