研究課題/領域番号 |
21H03207
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
松田 智大 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60370954)
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研究分担者 |
澤田 典絵 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (00446551)
シャルヴァ アドリアン 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (00739716)
ガテリエ ローリン 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, 研究員 (10875610)
西田 俊朗 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 客員研究員 (40263264)
中田 佳世 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター政策情報部 部長補佐 (50468279)
金原 里恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (60887305)
宮代 勲 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター 所長 (80501824)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 上部消化管がん / QOL / 長期フォローアップ |
研究実績の概要 |
住民ベースの研究と臨床研究の融合を目指し、がん登録のデータに基づき、偏りのない患者の抽出をすることが本研究の主目的の一つである。全国がん登録の公表値及び院内がん登録の0年集計に基づいて、東京都及び大阪府における協力医療機関候補の上部消化管がんの患者数を算出した。2020年の全国がん罹患数によれば、食道(C15)男20,128、女4,430、胃(C16) 男75,128、女34,551、であり、国立がん研究センター中央病院C15:501、C16:740、東京都立駒込病院C15:253、C16:358、大阪国際がんセンターC15:456、C16:675、大阪病院C15:34、C16:177であった。150例のリクルートを進めている。 オランダ国立がんセンター(IKNL)との共同研究としてのパイロット研究の成果が、博士課程学生の学位論文及び学術論文として発表した。食道がんまたは胃がんと診断された患者を、日本(2016-2019年)またはオランダ(2015-2020年)の情報を抽出し、年齢、性別、ステージ、治療、化学療法のレジメンを比較し、日欧の上部消化管がん治療の特色を明らかにした。 前年度に完成していた患者報告アウトカムシステム(ePRO)を利用した長期フォローアップのシステムを実用に即してブラッシュアップした。患者登録医療機関において、施設内でのがん登録データよるがん情報と医療記録から医師がシステムに直接入力する患者の属性や治療、ケアパターンとともに、患者自身が通院時または自宅においてPC、スマートフォンなどの端末からQRコードを用いて回答する「あなたとあなたの生活に関するアンケート」と題した生活習慣部分からなる調査項目である。 令和5年度に立ち上げた先進7カ国のG7Cancerの枠組みにおいて、上部消化管がんが「難治性がん」の定義において取り上げられ、本研究との連携を議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オランダとの連絡不備や新型コロナウイルス感染拡大での医療機関との交渉の遅延などによる、研究計画初期の遅れを取り戻すことができず、疫学研究、長期フォローアップのシステムの開発、臨床情報の取得に基づくパイロット研究を経て、当初計画では2、3年目には始めているはずだった臨床研究の実施がずれ込む状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
パイロット調査において、医療機関での上部消化管がん患者の情報収集の手法を整理することができ、実際にその結果を学術論文として刊行できたことから、開発したePROを利用して、研究を進めることが現実的であることを確認できた。修正されたシステムに基づいた最終的な研究プロトコルの倫理審査と実際の患者のリクルートを進めることが今年度の主要な目標である。また、オランダ以外のフランス、米国、英国、カナダ、ドイツ、オーストラリアとの研究基盤であるG7Cancerにおいて、「難治性がん」として上部消化管がんが取り上げられたことから、本研究をより広範に実施する切っ掛けを得た。この研究基盤において、進捗を報告しつつ、同様のこころみを国際共同研究として実現することを目標とする。
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