研究課題/領域番号 |
21H03214
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
劉 金耀 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60379956)
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研究分担者 |
姫宮 彩子 (白鳥彩子) 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90593301)
山野 聖子 山口大学, 総合技術部, 技術専門職員 (00448276)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アルコール / 進行性脂肪肝疾患 / 心血管イベント / 交感神経活性化 |
研究実績の概要 |
研究の内容:1.既存の非過剰飲酒と低炭水化物・高タンパク質飼料(LCHP)で飼育したマウスの肝臓組織を用いて、脂肪と線維染色・免疫染色およびPCRにて、脂肪・線維組織の定量測定、脂肪肝炎を指すCD68・TNFα・MCP-1および線維形成を指すcollagen Iの発現量を調べ、成果は、第105次日本法医学会学術全国集会にて公表した。2.1のマウスの心エコーおよび不整脈誘発試験結果を整理し、心機能および突然死発症リスクを評価した成果は、第56回日本アルコール・アディクション医学会総会において発表・優れた演題が推薦された。3.先天的高脂血症(AL)マウスを凍結胚からの復元(日本チャールス・リバー(株)委託)を行った。 研究の意義:進行性脂肪肝疾患と心血管イベントの合併発症複合病態モデルを樹立するとともに交感神経活性化へ着目し、心臓と肝臓交感神経活性化、肝臓クッパー細胞と星細胞の病態化、心血管イベント発症を促進する炎症性サイトカインの発現亢進を定量的に評価することを通じ、進行性脂肪肝疾患と心血管イベント合併発症のメカニズムを組織細胞生物学的に解明する。 研究の重要性:先行研究において非過剰飲酒であっても、飲酒量の削減自体が循環器疾患に有益であると報告され、非過剰飲酒が進行性脂肪肝疾患と心血管イベントの合併発症に影響していることを伺わせる。一方、摂取カロリー過剰による肥満への対応として、LCHP食が世界的に普及しているが、LCHP食生活は、死亡率と心血管イベントの危険因子である動物由来のタンパク質と飽和脂肪の摂取量増加につながり、全死亡率に関与する観察研究も存在する。 非過剰飲酒とLCHP食により複合病態マウスモデルを作製し、非過剰飲酒およびLCHPのもたらす進行性脂肪肝疾患・心血管イベント合併発症の死因への関与および制御機序の解明が重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画どおり、研究が進んで、成果を公表した。 先天的高脂血症(AL)マウスを凍結胚からの復元(日本チャールス・リバー(株)委託)が当初の想定に反し、復元不良があることが判明したが、再度凍結胚から復元マウスの取り寄せが可能となる令和4年5月にマウス交配・繁殖を延期して実施し、R4年5月12日に山口大学にて雄21匹と雌14匹、合計35匹マウスが納品できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画どおり研究を実施し、非過剰飲酒とLCHP食により複合病態マウスモデルを樹立し、非過剰飲酒およびLCHPのもたらす進行性脂肪肝疾患・心血管イベント合併発症の死因への関与と制御機序を組織細胞生物学的に解明する。
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