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2022 年度 実績報告書

看護師のワークエンゲイジメントの向上と休職者の復職定着を予測する因子

研究課題

研究課題/領域番号 21H03234
配分区分補助金
研究機関山形県立保健医療大学

研究代表者

安保 寛明  山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00347189)

研究分担者 高谷 新  山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (40882783)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードワークエンゲイジメント / 精神保健 / 看護師 / UWES / 看護管理 / マネジメント行動 / 精神健康
研究実績の概要

本研究は、東日本の3県で働く看護職者を対象に、ワークエンゲイジメントと関連要因、特に組織要因を縦断的に調査するものである。東日本の3県にある医療機関及び訪問看護ステーションの全てに対して調査を依頼し、承諾を得られた機関に質問紙調査を行った。およそ1000名の看護職者から回答を得て、このうち158人が訪問看護ステーションの職員であった。
本研究で調査した項目は、日本語版Utrecht Work Engagement Scale(UWES)短縮版によるワークエンゲイジメント、WHO-5による精神健康度、管理職者がおこなう職場内のマネジメント行動に関する評価、年齢や所属部署などの属性などであった。回答を得た1035名のWHO-5 、UWESの平均値はそれぞれ10.75と2.67であり、このうち病院勤務者は874名で平均がUWES-Jの平均(標準偏差)が2.58(1.07)、WHO-5は10.44(5.22)であった。
また、前年度に調査を行ったデータを活用して分析したところ、組織要因と個人のアウトカムとしてのワークエンゲイジメントのあいだに重要な関連がみられた。この点については論文として投稿中である。この投稿に関連して国際的な動向を精査したところ、仕事と家族のコンフリクトの関係にもワークエンゲイジメントの高さが緩衝要因となる可能性を示す論文があり、メタ解析あるいはスコーピングレビューの可能性を検討している。
また、本研究に関しては派生する研究が多く生じることとなり、次年度以降の調査項目に反映する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初に想定したよりも新型コロナウイルスへの対応や社会生活の停滞が長期化したため、医療職者を対象にした調査は行いにくい状況が続いた。
調査の規模を変更せずとも、郵送法とWEBからの入力を併用することで、当初に想定した回答数にやや近い回答を得ることができた。

今後の研究の推進方策

本研究は、東日本の3県で働く看護職者を対象にワークエンゲイジメントと関連要因、特に組織要因を縦断的に調査するものである。これまでにおよそ1000名から調査協力を得ているため、今後は追跡調査を行うことで各要因がワークエンゲイジメントや精神健康度に与える影響について経時的影響を分析する。
また、本研究の主たる着眼点のひとつにワークエンゲイジメントの向上に寄与する管理職者の行動があるが、この管理職者の影響力については組織の凝集性や文化的意味合いといった社会学的な知見を複合的に分析することが研究分野を豊かにすることになる。
その点で、東欧やアジアの言語に翻訳することの支援を行うなどして多国間比較を行えるようにすることが望ましいと考えている。この点で、欧州やアジア圏域内での本研究のパートナーシップ校を探すこととし、本研究分野の国際的な発展にも取り組むこととする。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 看護師長のリーダーシップが看護職員のワーク・エンゲイジメントを媒介してストレス反応に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      髙谷 新、安保 寛明、佐藤 大輔、新宮 洋之
    • 雑誌名

      日本精神保健看護学会誌

      巻: 32 ページ: 28~37

    • DOI

      10.20719/japmhn.32.22-023

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 欧州の精神保健サービスと経験知 アンチスティグマとメディケーションフリーに関する実践と議論2023

    • 著者名/発表者名
      安保寛明
    • 雑誌名

      精神障害とリハビリテーション

      巻: 27 ページ: 212-216

  • [雑誌論文] メンタルヘルスに携わる臨床家が行う研究におけるリカバリー指標に関する文献検討2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木龍生,安保寛明,佐藤大輔,髙谷新
    • 雑誌名

      山形保健医療研究

      巻: 26 ページ: 1-12

    • 査読あり
  • [学会発表] Cultural perspective over the suicide phenomenon in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Ambo Hiroaki
    • 学会等名
      Eastern European Conference of Schizophrenia and Mental Health, Sofia, Bulgaria
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Cognitive-behavioral interventions to enhance help-seeking behavior to reduce suicide in teenagers - a pilot project in Yamagata2023

    • 著者名/発表者名
      Ambo Hiroaki
    • 学会等名
      The 7th Eastern European Conference of Mental Health, Chisinau, Moldova
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 看護職員のワーク・エンゲイジメントと看護師長のリーダーシップおよび職業性ストレスの関連構造方程式モデリングによる検討2023

    • 著者名/発表者名
      高谷新, 安保寛明, 佐藤大輔, 新宮洋之
    • 学会等名
      日本精神保健看護学会第33回学術集会
  • [図書] 看護実践に活かす中範囲理論 第3版2023

    • 著者名/発表者名
      野川 道子、桑原 ゆみ、神田 直樹
    • 総ページ数
      536
    • 出版者
      メヂカルフレンド社
    • ISBN
      978-4839216993

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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