研究課題/領域番号 |
21H03241
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
長松 康子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80286707)
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研究分担者 |
本城 由美 (佐居由美) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10297070)
中島 聡美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20285753)
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (20510382)
小野 若菜子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50550737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アスベスト / 中皮腫 / 教育 / 実装 / 看護 |
研究実績の概要 |
胸膜中皮腫は難治性かつ症状コントロールが困難で、平均余命7.9ヶ月と病状悪化が早く、心身の艱難辛苦のうちに死に至る。遺族の悲嘆は長期かつ深刻なものとなる。患者と家族の生活の質を維持するためには、ニーズを予測して緊急的ケアを提供することが必須である。しかし、ケアニーズは多様で、看護だけでは対応できないものも存在する。そこで本研究は、多職種や支援団体と協働して、同一のナースが診断からグリーフまでをケアコーディネートしている英国を習って開発した「日本版中皮腫患者と家族への包括的ケア:胸膜中皮腫包括ABCケア」をモデル病院にてケアを実装・改善し、実現性を評価する。 2022年度は、ビデオによるeーラーニングと対面ワークショップによる「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラム」を開発し、その効果を検証するためにパイロット研究を実施した。また、新型コロナ感染症流行により、胸膜中皮腫患者と家族の不安が高まったため、感染予防に関する啓発教材を開発した。さらに胸膜中皮腫のケアに従事する看護師は、新型コロナ感染症患者のケアや予防接種活動で疲弊していたため、新型コロナ感染症の予防接種に関する啓発教材を開発した。胸膜中皮腫患者遺族からの要望により、グリーフケアを開催した。 2022年度に予定していた英国研修は、新型コロナ感染症によって実施できなかったので、繰越した予算で2023年に実施した。日本で胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラムを受講した4名の看護師が、英国の中皮腫ナースを訪問し、中皮腫ケアの実際を学んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症流行によって医療と教育に従事している研究者らが多忙で疲弊していたが、zoomやメールを駆使することで、研究を遂行した。予定していた英国研修は実施できなかったが、「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア」を実装する医療機関と連携し、バディナースの育成について協力関係を深めた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症が減少し次第、予定していた英国研修を行う。「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラム」を用いた看護師教育については、新型コロナ感染症の流行状況に応じて、対面またはzoomなどの適正な実施方法を検討する。さらに、胸膜中皮腫患者遺族のグリーフケアも継続して実施する。
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