研究課題/領域番号 |
21H03264
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹屋 泰 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70590339)
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研究分担者 |
武田 理宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70506493)
山川 みやえ 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80403012)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多職種連携 / 看護師 / Multimorbidity / 機械学習 / ICT |
研究実績の概要 |
急性期病院に入院したMultimorbidityの高齢心不全患者を対象に、看護師主導による多職種連携の導入前後で患者の死亡率や緊急入院率を比較する後方視的症例対照研究を行った。2017年4月~2020年3月に入院した患者351人を多職種連携群、2014年4月~2016年3月の患者412人を通常ケア群とし、各群から年齢・性別・NYHA心機能分類でマッチングさせた200人ずつ(平均年齢80歳、男性62%)を評価対象とした。全ての死因による死亡リスクは、多職種連携群の方が通常ケア群よりも有意に低いことが明らかとなり(ハザード比0.45、95%信頼区間0.29~0.69)、退院後1年時点での死亡率には7%の有意差が認められた(9%対16%)。退院後6週間以内の緊急入院のリスクも、多職種連携群の方が有意に低かった(ハザード比0.16、95%信頼区間0.08~0.30)。今研究における多職種介入の特長として、疾患に加え患者の生活機能に精通した看護師がファシリテーターとなり、適時適切な専門職と連携する、入院初期から退院まで看護師が継続的に関与するといった、看護師主導の包括的な多職種連携の有用性を提案し、American Heart Journal Plus: Cardiology Research and Practiceに発表した。また、適時適切なICTツールを用いた地域における看薬連携についてアンケート調査と後方視的研究を行い、1本を現在論文投稿中である。そのほか、入院中における看護師の退院後3か月以内の転倒リスクアセスメントツールについて、機械学習による予測モデルを用いて新しく開発し、現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域における看護師の役割と有用性について研究を継続的に行い、これらの成果を英文原著2本に発表し、2本を投稿中である。また、これらの成果についての学会発表は10件以上行い、1件は学術大会の最優秀演題、4件は優秀演題、1件は最優秀ポスターに選ばれた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、急性期病院と地域を研究の場として、テクノロジーを利用した適時適切な多職種連携の有効な方法と実装について、継続的に研究を続けていく。
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