研究課題/領域番号 |
21H03265
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 淳一 九州大学, 大学病院, 講師 (30452717)
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研究分担者 |
柏崎 晴彦 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10344516)
中野 敏昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10432931)
重村 憲徳 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40336079)
山口 優実 九州大学, 大学病院, 言語聴覚士 (90788605)
吉村 久美子 九州大学, 大学病院, 看護師 (70900794)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 味覚センサー / 人工知能 / 慢性腎臓病 / QOL |
研究実績の概要 |
2021年度の研究目的は、慢性腎臓病(CKD)で透析療法 and/or 食事療法で加療中の患者を対象にした「口腔機能」、「摂食状況」、「病状」、「患者QOL」を評価し、その関連性を明らかにする横断研究を開始することであった。対象患者のリクルート、調査項目の確認を、九州大学病院腎疾患治療部の協力を得て、確定し、透析中にベッドサイドで実施できる調査にのためのシステム構築、設備品などの購入をおこなった。既存の口腔機能検査機器に加え、iPadを購入し、摂食状況評価を行うKTバランスチャートスコア、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を電子媒体で回答できるようシステムを構築した。さらには、腎疾患患者のQOL評価のためのKDQOL-SF(the Kidney Disease Quality of Life Short Form)もこの電子媒体に取り入れた。 CKD患者が摂取している食事の味を数値化する味認識装置・TS-5000を口腔医療連携学分野に設置した。それにより、「味噌汁」を対象に、市販されているものと一般病院食および腎臓病患者用味噌汁の3種の味について分析した。味を数値化することで、それぞれの味噌汁の味について客観的に評価することができ、同じ味噌汁でもそれぞれの味が異なっていることが明らかになった。CKD患者のQOLに大きく関わる食事療法において、「味覚」を評価項目に加え、蛋白制限や塩分制限を受けている食事の「味わい」に配慮した食支援方法についての研究での、提供する食事の客観的指標を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的である「味覚」を評価項目に加え、蛋白制限や塩分制限を受けている食事について「味わい」に配慮した食支援方法についての研究推進のために必要な研究機器の準備は順調に進んでいる。味認識装置の当研究室への設置や研究調査項目の電子化をすることができた。 2021年度は、度重なる新型コロナウィルス感染症の急拡大により、予定していた横断研究および縦断研究の開始に遅れが出た。特に、感染リスクが高く、重症化リスクが高いCKD患者へのベッドサイドへの臨床研究介入には慎重にならざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、臨床研究(横断研究および縦断研究)により、CKDで加療中(透析療法 and/ or 食事療法)の患者を対象に、口腔機能、摂食状況、CKDの病状、患者の生活の質(QOL:Quality of Life)を評価 する。それらの関連性と、CKDで加療中(透析療法 and/ or 食事療法)の患者を対象 に、「病状」、「QOL」を経時的に評価し、それぞれの変 化を記録し、加療中に提供された「口腔機能管理内容」、「食支援内容」について記録する。 昨今では、感染症蔓延のため、外来患者や急性期病院の患者だけを対象とすると、臨床研究推進が困難となるので、感染者水際対策が充実した入院加療中のCKD患者や回復期、慢性期病院の長期入院の患者を対象とする方策も模索する予定とする。
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