研究課題/領域番号 |
21H03276
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
吉川 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (00435554)
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研究分担者 |
佐野 友美 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70782548)
石丸 知宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (30813737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 産業保健 / 参加型職場環境改善 / 中小規模事業場 / メンタルヘルス一次予防 / e-ラーニングプログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、中小規模事業場におけるメンタルヘルス一次予防推進のための包括的職場環境改善を遠隔にて実施するためのプログラム開発と開発プログラムを用いた介入研究を実施し、ストレス対策の効果ならびに実効的な職場環境改善の運用方法について明らかにすることを目的とする。中小規模事業場においても実行可能なe-ラーニングプログラムを開発し、職場ストレス状況や職場環境改善の準備状況にあわせた最適なプログラム手順から環境改善実施・評価までを、すべてe-ラーニングならびにオンライン・コミュニケーションツールを用いた遠隔支援で実施する。本知見を用いて、中小規模事業場における実効的な遠隔支援による職業性ストレス対策の実装化に資する方法論を提示する。 2021年度は、包括的職場環境改善のプログラム要件に従って、介入プログラムやアクションチェックリストのeラーニング化をすすめ、あわせて介入研究の際の評価指標の検討を行い、介入プロトコルの検討を実施した。包括的職場環境改善のプログラム要件としては、4つの手順で職場環境改善を進めることとした。さらに、各手順で職場が何をすればよいか、どのように進めるかを5分程度の動画教材を作成して、遠隔であっても職場が自律的に職場環境改善に取り組めるような仕組みとした。また、遠隔参加型職場環境改善のeラーニング化として、アクションチェックリストを遠隔にて実施できるツールを開発した。環境改善の計画を話し合うグループ討議は、従来であれば集合形式にて実施していたが、遠隔プログラムにおいては新型コロナウイルス感染症拡大で急速に普及したウェブ会議システム、または職場内で使用しているメッセージチャット等を使用して進めることができるような手順を組み込んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症まん延による対面での会議開催や事業訪問の制約があったため、現場の良好事例収集とその共有が進まず、e-ラーニングとすべき素材の収集が困難となった。また、各事業場における安全や健康対策についても、新型コロナウイルス感染症対策が優先となり、メンタルヘルス対策、特にメンタルヘルス一次予防に着目したプログラムへの関心が薄くなり、メンタルヘルス一次予防対策の展開に対する優先度が下がってしまったため本研究において開発するメンタルヘルス一次予防のための遠隔プログラムへの事業場のリクルートが困難となっている。
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今後の研究の推進方策 |
遠隔での参加型職場環境改善を進めるための要件の整理と、自律的に職場が環境改善を進めていけるようなツール開発に着手していく必要がある。
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