研究課題/領域番号 |
21H03278
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 修文大学 |
研究代表者 |
前川 厚子 修文大学, 看護学部, 教授 (20314023)
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研究分担者 |
松原 宏紀 修文大学, 医療科学部, 講師 (10885908)
中井 滋 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (20345896)
本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
吉田 和枝 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (40364301)
稲熊 大城 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60791069)
神谷 幸宏 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (10361742)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 慢性透析患者 / 排便機能障害 / 下痢 / 慢性便秘 / 腸電位 |
研究実績の概要 |
2022年度における慢性透析患者の腸電位関連研究は、愛知県透析医学会と医療機関の全面協力を受けて透析患者の便通異常と排便関連薬剤投与状況を把握するために匿名のWEB調査を実施した(2022年1月1日現在を基点とする)。 県下192医療施設の診療録により、18,032人のデータを収集した。対象は愛知県全域の透析医療機関192件であり、透析を実施している全患者の診療録から背景と治療に関する項目、緩下剤、止痢剤、整腸剤投与状況について情報収集した。対象者は18,032人、男性が66.6%、平均年齢は69.7( SD15.2,幅0~101)歳、平均透析歴は7.8年であった。緩下剤処方を受けているのは22.1%、整腸薬を受けているのは10.3%を占めていた。これらのことより腎不全の管理とともに、便秘と便排出困難への支援、腸閉塞のリスクマネジメントが重要な患者群である事が示された。一方で、慢性透析患者の過半数は"慢性便秘と下痢の繰り返し"を主訴とするという報告があり、本調査では排便管理の実情と薬剤投与状況データが一致していないことが明らかになったので、2323年度の透析患者実態調査時に探求する。さらに、報告書として愛知県透析医学会にまとめを提出した。 腸電位の基礎研究では、2023年3月2日から5日にマレーシア、クチン市で開催された大腸外科学会において"看護実践に役立つポータブル腸電位計による腸蠕動運動の可視化”についてE-Poster部門で発表した。本研究は85演題のうち、学会賞3位に選ばれ、表彰された。 以上が2022年度における研究実績の概要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度もCovid-19の感染予防対策の影響を受けて臨床の場における腸電位データ収集は不可能であった。そのために、当Projectは愛知県透析医学会の全面的な協力を受けて、愛知県か透析医療機関における慢性透析患者のWEB実態調査を行った。98%のカバー率でデータ集約した。慢性透析患者数は18,032人で、診療録・レセプトに基づく信頼性の高い報告書としてまとめることが出来た。 腸電位計の基礎研究では、小型でウエアラブルな第2世代プロトタイプ腸電位計で収集した健康な被験者と大腸がん手術を受けた人の腸電位と比較し、波形データとカラースケールにより可視化した。日本以外のアジアの消化器外科医に腸電位の発明を公開したのは初めてであり反響が大きかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策 1) 慢性透析患者の腸電位基礎データの収集を行う これまでに一番のハードルであった臨床でのデータ収集に関してCovid-19の感染予防対策をふまえたうえで、分担研究者の関係する透析医療機関の許諾を得て、患者被験者のリクルートをする。事前に、四日市看護医療大学において倫理申請を行い、承認が得られてから関連医療機関の倫理審査手続きを行う。 慢性透析を受けている排便困難患者を含む30人を対象として1週間に2回、60分のデータ収集を行う計画である。解析はプロジェクトで行い、逐次検討会議を行い、基礎データの信頼性を担保していく。 2) 共同研究成果を国内外の学術学会で発表する ① 2023年8月26日に長良川国際会議場で開催される東海ストーマ排泄リハビリテーション研究会において、「愛知県における慢性透析患者の排便管理に関する実態調査」について報告し、論文の提出を行う。② 2023年10月19~21日までシンガポールで開催されるアジア大腸肛門病学会とストーマリハビリテーション学会合同開催学会において「慢性透析患者の便秘マネージメント課題」について報告する。③ 2024年2月10日にパシフィコ横浜で開催される日本ストーマ排泄リハビリテーション学会において「慢性透析患者の透析中の腸電位波形」について発表する予定である。
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