研究課題/領域番号 |
21H03304
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
菅田 陽怜 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (30721500)
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研究分担者 |
原 正之 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00596497)
野嶌 一平 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (20646286)
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50586542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マイクロオフライン学習 / 標的記憶再活性化 / 脳内ネットワーク |
研究実績の概要 |
ヒトの運動学習の約95%は学習課題間の休息期に起こり、さらにそれは学習早期の覚醒下において秒単位で急速に加速する(マイクロオフライン学習)。一方、学習効率化に着目した研究では、学習の際に特定の知覚刺激(音や匂い)を提示し、「休息中」に再び同じ知覚刺激を提示することで学習記憶の再活性化を促し、記憶の定着を図る「標的記憶再活性化(Targeted Memory Reactivation; TMR)」という手法が注目されている。特に近年は、覚醒時にTMRを誘導する研究も散見されるが、分単位または時間単位の休息を挟んだ課題成績に着目した研究がほとんどであり、秒単位での課題成績に着目した研究は世界的に見ても無い。そこで、本研究では、急速に運動学習が促進される「マイクロオフライン学習」中に「TMR」を誘導できれば、学習効率をより向上できるとの仮説を立てた。以上のことから、TMRにおける休息期安静状態の修飾がマイクロオフライン学習に及ぼす影響を明らかにすることに焦点を当て実験を行った。 18歳以上の右利き健常男女に対してディスプレイ上に提示される1~4までの数字に対応するボタンを非利き手でできるだけ速く、正確に押すよう指示を行った。課題は10秒間のボタン押しと10秒間の休息を1試行として全36試行行い、対象者個人のマイクロオフライン学習量を評価した。また、マイクロオフライン学習とTMRとの神経生理学的な関連性を調べるために、課題中には頭皮脳波を計測した。TMRの知覚刺激は先行研究を参考にした聴覚刺激を用いた。実験結果、現時点でTMRの有無により学習パターンに差が生じる傾向を認めている。また、全学習量の中で課題中の学習量よりも休息中の学習量(マイクロオフライン学習)が多くを占める傾向を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験デザインの構築ならびにデータ計測が予定通りに進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っているTMRの介入パターン(介入時間、介入刺激のパターン)を調整し、TMRがマイクロオフライン学習に及ぼす影響について更に詳細に検討する。同時にTMR付加中の脳波を用いてネットワーク解析を行うことで、TMRがマイクロオフライン学習に及ぼす影響について、神経生理学的に明らかにする。
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