研究課題
本研究は、以下の2つを主な目的として実施している。①申請者らが開発した多人数身体活動量管理システムの導入が心疾患患者の身体活動量および身体機能の向上に有効であるかを検証すること、②スマートフォンのアプリを用いた身体活動量と歩行速度の縦断的な評価のアルゴリズムを構築し、その有用性を検証すること①については、研究責任者の施設において実施したパイロット研究の結果についての論文が国際誌に掲載された。本結果に基づいて、現在多施設でRCTを展開している。急性期病院のみでなく、地域の医療機関や介護予防施設においても検証を実施している段階である。また、当施設での観察研究データとして身体活動量管理システムの導入効果を傾向スコアマッチングと共分散分析で評価した。その結果、入院期間中の活動量管理システムの導入が医療者による定量評価の容易化や身体機能の向上に寄与する可能性が示された。②については、歩行速度や安定性などの指標をスマートフォンから収集するアプリで心不全を含む心疾患患者や地域住民の研究データを取得し、随時解析を行っている。現在はフォローアップ期間中であるが、今後、スマートフォンから得られた指標と臨床データや予後とあわせて解析していくことにより、様々な臨床場面においてリスクの層別化や治療効果の判定に有用かを明らかにしていく予定である。また、アプリの導入により身体活動量が増加し、フレイルであった方がフレイルから脱却する例が多く認められることを確認している。
2: おおむね順調に進展している
症例蓄積が順調に進んでおり、解析作業も随時進捗しているため。
今後は、地域住民および心不全を含む心疾患患者の活動量データの収集を継続すると共に、身体活動量の管理やフレイルの予防に有用なアルゴリズム構築に関わる解析を進めて行く。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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