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2023 年度 実績報告書

糖化ストレスによる骨格筋退行変化の分子機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H03319
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

江川 達郎  京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (00722331)

研究分担者 木戸 康平  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50822730)
後藤 勝正 (山下勝正)  豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (70239961)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード糖化ストレス / 一次繊毛 / 骨格筋 / 筋芽細胞 / RAGE
研究実績の概要

本研究の目的は、糖化ストレスによる骨格筋退行変化の分子機序解明を行うことである。特に、糖化ストレスを感知する受容体receptor for advanced glycation end products(RAGE)の関与解明および筋細胞膜の安定性への影響解明の2点に着目した解析を行う。本研究により、糖化ストレスによる骨格筋退行変化の分子機序を明らかにすることで、骨格筋適応を制御する生体システムの解明および糖化ストレスに着眼した筋機能の向上や低下予防のための新たな手段の構築に貢献できる。
昨年度の実績報告にて、RAGE floxマウスの再作出を進めていることを報告した。しかし、2段階目のloxp配列のノックインが上手くいかず、ノックイン手法を再検討したため、いまだ作出には至っていない。次年度4月には2段階目のノックインに再チャレンジする。
上記マウスの作出と並行して、糖化ストレスが筋芽細胞の一次繊毛に与える影響を検討した。C2C12筋芽細胞をグリセルアルデヒド由来AGEs(1 mg/ml)を含むDMEM培地中でインキュベートしたところ、一次繊毛の長さが短くなることが明らかになった。またRAGE拮抗剤であるFPS-ZM1の添加により、上記変化は妨げられた。以上の結果は、糖化ストレスがRAGEを介して筋サテライト細胞の一次繊毛の発現を低下させ、筋増殖シグナルを阻害する可能性を示唆するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

RAGE floxマウスを再作出が上手くいっておらず、当初の計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度の早期の段階でRAGE floxマウスが作出できる予定である。作出できた場合は、骨格筋Cre発現マウスとの交配により、コンディショナルKOマウスを作出し、これまでに明らかにした糖化ストレスによる筋細胞膜脆弱化に対するRAGEの関与を明らかにしていく、作出できなかった場合は、作出方法の再検討を進めるとともに、RAGE阻害剤を用いた検討に切り替えていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Glycative stress inhibits hypertrophy and impairs cell membrane integrity in overloaded mouse skeletal muscle2024

    • 著者名/発表者名
      Egawa Tatsuro、Ogawa Takeshi、Yokokawa Takumi、Kido Kohei、Iyama Ryota、Zhao Haiyu、Kurogi Eriko、Goto Katsumasa、Hayashi Tatsuya
    • 雑誌名

      Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1002/jcsm.13444

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Advanced glycation end products inhibit proliferation and primary cilia formation of myoblasts through receptor for advanced glycation end products pathway2023

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Shinichiro、Hayashi Tatsuya、Egawa Tatsuro
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 684 ページ: 149141~149141

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.149141

    • 査読あり
  • [学会発表] 終末糖化産物AGEsによるマウス骨格筋細胞膜脆弱化の誘導2023

    • 著者名/発表者名
      江川達郎、小川岳史、木戸康平、横川拓海、後藤勝正、林達也.
    • 学会等名
      第69回日本宇宙航空環境医学会大会
  • [学会発表] AGEsによるマウス単離骨格筋のタンパク質恒常性分子機構への影響解明2023

    • 著者名/発表者名
      趙海宇、林達也、江川達郎.
    • 学会等名
      62回日本栄養・食糧学会近畿支部大会
  • [学会発表] 糖化と健康:糖化を意識する2023

    • 著者名/発表者名
      江川達郎
    • 学会等名
      マジェクト健美食プロジェクト「糖化予防と健康生活」
    • 招待講演
  • [備考] 京都大学大学院人間・環境学研究科 ​分子運動適応学研究室

    • URL

      https://www.egawa-lab.com/

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公開日: 2024-12-25  

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