研究課題/領域番号 |
21H03338
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
清水 和弘 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 先任研究員 (00508286)
|
研究分担者 |
花岡 裕吉 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 準研究員 (80783787)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 時計遺伝子 / 運動 / 時計タンパク / コンディショニング / 疲労 / 免疫 |
研究実績の概要 |
アスリートが日常行う運動は過度になるとパフォーマンスの低下や慢性疲労、免疫抑制を招く。またアスリートは海外遠征が多く、時差による概日リズムの乱れが疲労を招くことも問題となっている。時計遺伝子は概日リズムを形成し、疲労発生や免疫応答に関与すると考えられている。我々は非侵襲かつ簡便に採取できる唾液を用いて、唾液中時計タンパクのBMAL1が形成する概日リズムが一過性の高強度運動で失調し、継続的な高強度運動でその失調が慢性的になることを明らかにした。唾液中時計遺伝子は唾液腺由来であり、中枢時計遺伝子動態ともリンクするため、唾液中時計タンパクによる概日リズムの評価ができる可能性がある。しかし、唾液中時計タンパクと疲労との関係は未だ不明である。本研究では、唾液中の時計遺伝子由来である時計タンパクを用いたコンディション評価プログラムについて検討することを目的とし、2022年度は運動に対する唾液中時計タンパクと血中免疫細胞の時計遺伝子発現の関係について検討した。本研究では若年成人男性を対象とし、運動実験では自転車エルゴメーターを用いて疲労困憊に至るまで運動を実施し、コントロール実験では運動を実施せず安静をとった。運動実施前(7:00)、運動後(10:00)、6時間後(16:00)、9時間後(19:00)、12時間後(22:00)、19時間後(翌日7:00)において唾液と血液を採取した。運動群は8:00から9:00において運動を実施した。運動実験では唾液分泌量は顕著な変動は認められなかったが、コントロール実験では10:00に減少し、その後16:00から19:00において顕著な増加が認められ、22:00に減少して翌朝7:00には元の値に戻った。本研究の対象においては唾液分泌に日内変動が認められた。唾液中時計タンパクおよび血中免疫細胞の時計遺伝子発現の解析は現在進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
時計タンパクを測定する試薬のロットが変更になり、検出感度が落ちてしまったことで検出できないサンプルがあった。
|
今後の研究の推進方策 |
測定プロトコルの条件を見直して検討しており、概ね見通しがついた。2023年度に分析を終える予定である。
|