研究実績の概要 |
癌細胞での大量の酸 (H+) 産生により、癌細胞周辺の超微小ナノスケール空間(細胞膜外100 nm 以内の範囲)に存在する細胞外液のpHがどの程度低下させているかを定量的に測定した。このことにより、癌細胞周辺のナノスケール微小空間の酸性度を定量的に明らかにでき、癌細胞周辺の酸性化により正常細胞へ与えるダメージを検証することが可能となった。これらの検証は、すでに研究代表者が国際科学雑誌にて発表したがん細胞において実施した。具体的には、ヒト食道扁平上皮癌細胞 (Ann Surg Oncol. 27:3218, 2020; Sci Rep 9:16055, 2019; Am J Pathol 189:1973, 2019; Oncotarget 9:29957, 2018; Oncotarget 9:25993, 2018; Oncotarget 9: 23237, 2018; Oncotarget 8:17921, 2017; Oncotarget 8:2209, 2017)、食道癌幹細胞 (J Gastroenterol 53:197, 2018)、ヒト胃癌細胞 (Int J Oncol 55:905, 2019; Gastric Cancer 22:473, 2019; Oncotarget 8:101394, 2017; Cell Physiol Biochem 42:68, 2017)、ヒト肝臓細胞癌細胞 (Int J Oncol 50:1857, 2017; J Cancer 7:1524, 2016)、ヒト直腸癌細胞 (J Gastroenterol 50:287, 2015)、ヒト膵癌細胞 (Pancreatol 12:440, 2012)、ヒト乳癌細胞 (Arch Biochem Biophys 539:92, 2013)を用いる。癌細胞周辺の超微小ナノスケール空間(細胞膜外100 nm 以内の範囲)に存在する細胞外液のpHは研究代表者がすでに報告している方法(図3: Nature Commun 9:5278, 2018)を用いて金沢大学・ナノ生命科学研究所・プップリン レオナルド特任助教と共同で行った。
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