研究実績の概要 |
-R3年度のコロナ禍の環境で海外研究会への参加困難な状況を踏まえ、研究期間をR4に跨るよう延長した。その甲斐ありフィンランド、米国への出張が可能になった。国内研究会(情報理論とその応用シンポジウム)、海外研究会(IEEE International Symposium on Information Theory)に参加し、調査研究および成果発表を行った。 -量子削除誤り訂正符号のインスタンスを増やすことを試みた。これまでの研究成果で得られた4量子ビット削除符号の持つ置換不変性に着目し、その一般化に成功した。この成果は次として発表した。【Permutation-Invariant Quantum Codes for Deletion Errors T. Shibayama, M. Hagiwara, Proc. of 2021 ISIT 1493-1498 2021年7月】 -量子挿入誤りに対する考察を行い、大きな成果を2つ得た。1.誤りが生じるまでの符号語が純粋状態と仮定することで、量子挿入誤りに制限が生じることを理論的に導いた。2.(削除誤り訂正の為の)Nakayama-H条件の類似を、量子挿入誤りで構成した。その結果、単一量子挿入誤りを訂正可能な2次元量子符号の無限系列の構成に成功した。この成果は次として発表した。【Equivalence of Quantum Single Insertion and Single Deletion Error-Correctabilities, and Construction of Codes and Decoders T. Shibayama, M. Hagiwara, Proc. of 2022 ISIT 2970-2975 2022年6月】 -本研究を通じて理解の深まった削除誤り訂正の知見を活用し、平面配置した情報の誤り訂正符号を開発し、論文誌に発表した【Multi Deletion/Substitution/Erasure Error-Correcting Codes for Information in Array Design, Manabu HAGIWARA, IEICE Trans. on Fundam. of Elec., Comm. and Comp. Sci. 2022年9月】。この符号は、削除・挿入・ビット反転・消失の4通りの誤りの組合せ誤りを訂正できる世界初の平面配置符号である。
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