研究課題/領域番号 |
21H03404
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鬼沢 直哉 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90551557)
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研究分担者 |
羽生 貴弘 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40192702)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ストカスティック演算 / シミュレーテッドアニーリング |
研究実績の概要 |
初年度は,代表者がこれまでに考案したストカスティック演算に基づく確率的デバイスモデル近似手法の拡張を行った. 具体的には,従来の手法はSA(シミュレーテッドアニーリング)計算アルゴリズム用に提案された手法であるため,本研究で対象とするQMC(量子モンテカルロ)計算用にアルゴリズ ムの拡張を行った. さらに,最終的な目標であるFPGA(field programmable gate array)によるハードウェア実現に向けて,提案QMC計算アルゴリズムをMATLABシミュレーションによって評価を行った.提案アルゴリズムの有効性を明らかにするため,小規模な組合せ最適化問題(グラフ同型性判定問題や巡回セールスマン問題やグラフの分割問題など)を対象として,従来SA計算アルゴリズムによるアニーリング処理と比較評価を行った. 小規模な組合せ最適化問題を対象として,ストカスティック演算に基づく提案手法を評価した.シミュレーション評価の結果,従来の決定論的手法に基づくSA法と比較して約3桁以上高速に最適解を得られることがわかった.この研究成果は2021年度東北支部連合大会において発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,ストカスティック演算に基づくSA法及びQMC法のアルゴリズムの構築を進めている.また,小規模な組合せ最適化問題を対象にシミュレーション評価を行った結果,従来手法と比較して有効性(高速性)を示すなど,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2年度は,初年度に開発したストカスティック演算に基つくQMC(量子モンテカルロ)計算アルゴリズムの有効性の評価を行う.具体的には,従来手法てあるシミュレーテッドアニーリンク(SA)計算アルゴリズムに対して,大規模な組合せ最適化問題を対象に比較を行う.初年度は小規模かつ限定された組合せ最適化問題(グラフ同型性判定問題)を対象に評価を行ったが,QMCはSAと異なり大規模な問題に対しても高速処理か可能てあることか予測されているため,シミュレーションによる実証を行う. また,最終的な目標てあるFPGA(field programmable gate array)によるハードウェア実現に向けて,ハードウェアアーキテクチャの考案を行う.SAやQMCて処理可能な組合せ最適化問題は,その問題によってノード数や接続数か大きく異なる.完全グラフで表現された組合せ最適化問題は,各ノードに接続されるエッジの数か膨大となることから,1サイクルて処理を行う並列型アーキテクチャによるハードウェア実現は難しい.一方て,隣接ノードの接続に限定された組合せ最適化問題てあれは,並列型アーキテクチャによる高速処理か可能てある.2年度は,組合せ最適化問題を表現するグラフを考慮しつつ,提案QMCアルゴリズムに最適なハードウェアアーキテクチャを実現していく.
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