研究課題/領域番号 |
21H03451
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
今倉 暁 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60610045)
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研究分担者 |
櫻井 鉄也 筑波大学, システム情報系, 教授 (60187086)
高安 亮紀 筑波大学, システム情報系, 助教 (60707743)
保國 惠一 筑波大学, システム情報系, 助教 (90765934)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 無限次元固有値問題 / 複素モーメント型解法 / リスク回避技術 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、複素モーメント型固有値解法の基盤アイディアである複素モーメント技術を無限次元固有値問題の求解に拡張・適用することで、並列性の高い無限次元固有値解法を確立する。また、実用上のリスクとなる計算誤差やパラメータ誤設定およびシステム障害を想定した数理的リスク回避技術を開発し、“solve-then-discretize” へのパラダイムシフト実現を目指す。本研究課題において以下を明らかにする。1. 複素モーメント技術に基づく高並列な無限次元固有値解法の実現性、2. 各種実用上のリスクに対する数理的回避技術の有用性、3. 複素モーメント技術に基づく高並列な無限次元固有値解法の実用性。
2021年度は、特に、開発Task 1「複素モーメント型無限次元固有値解法の確立」に焦点を当て、無限次元固有値問題向けの複素モーメントフィルターの構築、複素モーメント型部分空間の構築および固有対の計算法などの理論整備を行った。また、整備した理論的枠組みに基づき、高並列な複素モーメント型無限次元固有値解法としてアルゴリズム設計を行った。
プロトタイプ実装の結果として、開発した複素モーメント型無限次元固有値解法は既存の“discretize-then-solve”型の解法と比較して非常に高い精度で、目的の固有値および対応する固有関数を計算出来ることが示された。このプロトタイプ実装を基板として、具体的なアルゴリズムとして、Hankel型、Rayleigh-Ritz型、Arnoldi型の複素モーメント型無限次元固有値解法の開発に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、当初計画通り、開発Task 1「複素モーメント型無限次元固有値解法の確立」に焦点を当て、無限次元固有値解法の理論整備およびアルゴリズム設計を実施し、実験的にその有用性を示すことに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に引き続き開発Task 1「複素モーメント型無限次元固有値解法の確立」を推進し、基盤アルゴリズムの論文化を行う。また、開発Task 2「数理的リスク回避技術の開発」に取り組む。具体的には、計算誤差に対するリスクモデルの開発に着手する。
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