研究課題/領域番号 |
21H03496
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
清 雄一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20700157)
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研究分担者 |
大須賀 昭彦 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90393842)
田原 康之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30390602)
松崎 和賢 中央大学, 国際情報学部, 准教授 (00831794)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | プライバシ / IoT / 機械学習 |
研究実績の概要 |
顔画像やセンサデータ等、個人のプライベートな情報を訓練データとして学習した、学習済み機械学習モデルを公開するサービスが広まっている。今後、あらゆる場所で様々な学習済み機械学習モデルが生成され公開される、ユビキタス機械学習社会が到来する。人々の利便性は大きく向上するものの、学習済み機械学習モデルを基に、その訓練データに使われたプライベートな情報が暴かれる、意図しない個人特定や個人属性値漏洩が発生するリスクが急速に拡大していく。しかしリスクの全容を把握することさえ現状できていない。本研究では、ユビキタス機械学習社会におけるプライバシ漏洩リスクを明らかにし、個人特定や個人属性値漏洩の発生を突き止める基盤を提供する。 本年度は、以下の研究実績があった。 深層学習及びガウス回帰過程の組み合わせにより、IoTシステムの予測精度を向上させるフレームワークを提案した。また、複数のデータベースの組み合わせにより個人特定リスクが高まることを実データに基づいて示し、その緩和アプローチを提案した。IoT機器に埋め込まれたログインパスワードが原因となりプライバシ情報が漏洩するリスクを軽減するため、埋め込みログイン情報を検出する手法を提案した。大規模な情報収集システムにおいて個人データを保護するために差分プライバシフレームワークを開発・提案した。SNSデータを安全に共有するためのフレームワークを開発・提案した。IoTシステムにおける虚偽のデータを検出するアルゴリズムを提案した。l-多様性を満たすフレームワークや、人と人とのインタラクションを想定した差分プライバシフレームワークを提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた国際会議が行われなくなった等のことがあったが、研究計画としてはおおむね順調に遂行できているため。
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今後の研究の推進方策 |
IoTデータにおいて欠損が多い場合におけるプライバシ保護を行うためのフレームワークの開発を行う。また、睡眠状態の推測や、マスクをしている人の顔画像の推測など、どれだけ個人に関する情報を予測できるかについても調査・研究を行い、提案フレームワークが対応すべき課題の確認を行う。 また継続して、誤差を持つデータに対するプライバシ保護アルゴリズムの開発や、差分プライバシを実現するパラメータの自動チューニングアルゴリズム等の研究開発を行う。さらに、画像生成や文章生成に関する様々なアルゴリズムを検証することにより、プライバシ漏洩リスクの検討も行う。
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