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2022 年度 実績報告書

アクティブタッチの神経機構に関する包括的研究:ラットヒゲシステムを題材として

研究課題

研究課題/領域番号 21H03529
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

古田 貴寛  大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60314184)

研究分担者 日置 寛之  順天堂大学, 医学部, 教授 (00402850)
田中 琢真  滋賀大学, データサイエンス学系, 准教授 (40526224)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードアクティブセンシング / 神経回路 / 触覚 / 運動制御 / 感覚情報処理
研究実績の概要

本申請課題では、アクティブタッチを実現する神経機構の理解に貢献する基礎データを取得し、それらを統合的に考察する。我々は以下の三つのサブテーマを設け、研究を進めている。
サブテーマ1:「アクティブタッチの運動解析」、サブテーマ2:「アクティブタッチの生成機構」、サブテーマ3:「アクティブタッチの受容機構」
サブテーマ1について:覚醒した状態の実験動物(ラット、マウス)の頭部を頭部固定装置に固定(無痛である)し、ヒゲ運動を測定記録する実験を継続し、レーザー変位計の改良により時間解像度を上昇させた。また、様々な触覚刺激パタンを提示する装置を確立した。
サブテーマ2について:覚醒動物において、ヒゲ運動を計測しながら大脳皮質のニューロンから活動記録を行い、ヒゲ運動パタンと発火パタンの関係を調べたところ、相関するニューロンが見つかった。そのニューロンにプラスミドを導入する実験について、成功率を上昇させた。プラスミドによって標識された形態は非常に明確に可視化された。
サブテーマ3について:齧歯類のヒゲが対象物に触れた際に生じる機械的入力が根元に伝わる時に生じる振動に対し末梢受容器がどのように反応するかを調べるため、ラット三叉神経脊髄路においてsharp electrodeを用いた軸索内記録を行い、ヒゲをさまざまな振幅や周波数の人工的機械入力によって刺激した。刺激パラメータと反応特性の間にある関係性を調べ、なおかつ末梢受容器の形態学的特性も解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画通りに実験が実行され、所定の結果を得ている。

今後の研究の推進方策

サブテーマ1について:覚醒動物の行動実験についてデータを取得する。この行動実験では、明らかに質の違うテクスチャを2種類(サンドペーパーのようにざらざらしたものと、タイルのようにデコボコしたもの)使うが、さらにそれぞれの質のテクスチャにおいて、荒いものと細かいものを準備する(合計4種類の刺激サンプル)。この提示刺激の荒い方をGo刺激とする行動実験を確立し、データを蓄積する。またその時のヒゲ運動をヒゲ振動を計測し解析する。
サブテーマ2について:ヒゲ運動中のニューロン活動を大脳皮質において記録する。その記録したニューロンに遺伝子導入による標識を施し、形態を解析する。組織透明化法を応用した光学顕微鏡的解析だけでなく、電子顕微鏡を用いた解析も挑戦する。三次元的形態の解析をすすめる。
サブテーマ3について:実際にヒゲ先端が対象物に触れた場合に生じるヒゲ振動と、人工的に作りだしたヒゲ振動刺激との関係性を、レーザー変位計を用いた解析により詳細に解析する。さらに、こうした刺激に対して反応する末梢受容器の活動を解析し、ヒゲのどのような微細変位コンポーネントにたいし抹消受容器が反応するのかを調べる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Cerebellar Cortex Receives Orofacial Proprioceptive Signals from the Supratrigeminal Nucleus via the Mossy Fiber Pathway in Rats2023

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi Yumi、Sato Fumihiko、Furuta Takahiro、Uchino Katsuro、Moritani Masayuki、Bae Yong Chul、Kato Takafumi、Tachibana Yoshihisa、Yoshida Atsushi
    • 雑誌名

      The Cerebellum

      巻: 22 ページ: 663~679

    • DOI

      10.1007/s12311-022-01434-z

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Protocol for multi-scale light microscopy/electron microscopy neuronal imaging in mouse brain tissue2022

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi Kenta、Furuta Takahiro、Okamoto Shinichiro、Takahashi Megumu、Koike Masato、Hioki Hiroyuki
    • 雑誌名

      STAR Protocols

      巻: 3 ページ: 101508~101508

    • DOI

      10.1016/j.xpro.2022.101508

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fluorochromized tyramide-glucose oxidase as a multiplex fluorescent tyramide signal amplification system for histochemical analysis2022

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi Kenta、Okamoto Shinichiro、Ishida Yoko、Konno Kohtarou、Hoshino Kisara、Furuta Takahiro、Takahashi Megumu、Koike Masato、Isa Kaoru、Watanabe Masahiko、Isa Tadashi、Hioki Hiroyuki
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 14807

    • DOI

      10.1038/s41598-022-19085-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Tissue Clearing Method for Neuronal Imaging from Mesoscopic to Microscopic Scales2022

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi Kenta、Okamoto Shinichiro、Takahashi Megumu、Koike Masato、Furuta Takahiro、Hioki Hiroyuki
    • 雑誌名

      Journal of Visualized Experiments

      巻: NA ページ: 183

    • DOI

      10.3791/63941

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット洞毛ヒゲにおけるルフィニ様終末の機能形態学的解析2023

    • 著者名/発表者名
      榎原智美、小池太郎、竹中 綾、村本大河、北田容章、江口麻美、前田光代、片岡洋祐、廣瀬眞、古田貴寛
    • 学会等名
      日本解剖学会

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公開日: 2023-12-25  

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