研究課題
今年度はまずトランスレーショナルリサーチとして、実験動物の睡眠中に心拍を計測し、心拍と睡眠の関係性を完全に抑え、明らかにした。また、実際に人の睡眠実験を行い、心拍情報のみを用いた睡眠段階の判定を行った。さらに終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)から得られる睡眠深度を正解とし、各睡眠深度における心拍特徴を決定づける事を目的として、睡眠深度と心拍・心拍変動の特徴を明らかにした。前年度までは20代から40代までの健常者を対象に心拍のみを用いた睡眠の5段階判定を行っていたが、今年度はさらに対象を広げ、睡眠時の呼吸に問題がある患者を対象とした、呼吸の状態を低呼吸・無呼吸・正常状態に心拍のみを用いて分ける方法を提案した。まず、実験用動物を用いて心拍だけを用いた睡眠の段階判定を行った。この時、睡眠の段階の正解は通常論文等で一般的に用いられているソフトウェアを正解として、心拍だけを用いた睡眠の段階位判定を行った時に同等程度の推定結果を得ることが可能となった。この結果から、実験用動物の睡眠の段階判定において、心拍のみを用いた推定は有効である可能性を示唆した。さらに、これまで20代から40代の健常者が対象であった睡眠の段階判定について、推定の対象範囲を呼吸機能に疾患のある患者に広げ、推定の精度を確認した。その結果、呼吸器疾患における呼吸状態を心拍のみで推定することは可能であることが示唆されたが、睡眠の5段階判定までには至らなかった。今後は疾患患者の睡眠段階判定に注力を注ぐ予定である。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナの影響がなくなり実験がスムーズに遂行できるようになったため。
現状は心拍のみを用いた睡眠の段階判定において、20代から40代までの健常者を対象に行っており、その有効性を確認している。これらに加えて、呼吸器疾患における呼吸状態を心拍のみで推定することは可能であることが示唆されたが、睡眠の5段階判定までには至らなかった。今後は疾患患者の睡眠段階判定に注力を注ぐ予定である。
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