研究課題/領域番号 |
21H03554
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山本 祐輔 名古屋市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (50625431)
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研究分担者 |
加藤 誠 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00646911)
大島 裕明 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 准教授 (90452317)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 批判的情報探索 / 情報の信憑性 / 情報探索と学習 / ヒューマンファクター / ウェブ検索 |
研究実績の概要 |
2023年度は以下の研究を行った.1つめの研究トピックとして,情報探索中のユーザにより網羅的なトピックの検索もしくは検索中のトピックの詳細化を促すシステムの基礎的設計を行った.これらのうち,ウェブ検索中のユーザに網羅的検索・詳細な検索を促すチャットボットに関する研究成果は国際会議HCI International 2023や日本データベース学会和文論文誌に,博物館における情報探索を促進するシステムについては,the 25th International Conference on Asia-Pacific Digital Libraries (ICADL 2023)に採択された.2つ目の研究トピックは,情報探索中にシステムが提示した情報を受け入れるべきか否かを判断するための補助情報の抽出およびその提示効果に関する研究である.これらのうち,プライバシ保護の観点からウェブページの取捨選択を検討するための情報を抽出・提示するシステムについての研究成果は,電子情報通信学会論文誌および日本データベース学会論文誌に採択された.3つ目の研究トピックは,ChatGPTのような対話的情報検索システムの利用時に,回答の一部をあえて曖昧にすることによってユーザに追加的な情報探索を能動的に行わせるための対話戦略とその効果検証である.こちらの研究成果はFrontiers in Psychologyに採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載した(1)自身の情報探索行動を内省・改善するウェブブラウザ,(2)情報精査態度を刺激する研究結果サマリの生成,(3)批判的情報探索をファシリテートする問いの提示,のいずれについても,国際会議での発表や学術論文誌への掲載されるなど,一定の成果が得られている.また(1)のトピックについては,ウェブ検索だけではなく博物館における情報探索における批判的情報(展示物)探索に関する研究にも発展し,(3)のトピックについても,チャットボットの対話戦略という観点から当初想定していなかった研究課題についても取り組めた.以上のことから,本研究課題は概ね順調に進捗していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」で述べたように,研究計画書に記載したいずれの研究課題について国際会議や学術論文誌への採録が決定しており,研究プロジェクトを進める上での基礎的な成果は得られている.ただし,3つ目の課題である「問いの提示」については,近年のLLM技術の発展もあり,改善・発展の余地は大きい.今後はLLM技術を活用した問いかけ手法の開発について検討する予定である.また,研究課題(1)(2)(3)で開発した要素を踏まえたウェブ検索とチャットボットなどの対話的情報探索システムの融合や批判的情報探索システムがユーザに与える影響についても検討する予定である.
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