研究課題/領域番号 |
21H03567
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
瀬田 和久 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50304051)
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研究分担者 |
小尻 智子 関西大学, システム理工学部, 教授 (40362298)
林 佑樹 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (40633524)
田中 孝治 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (60583672)
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80212786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 学習スキル / プレゼンテーション / セマンティクスアウェアな学習教材 |
研究実績の概要 |
学習方略に関わるメタ認知的知識が,深い処理方略と学習の持続性,長期的動機付けに促進的影響を与えることが明らかになっている.一方,その習得に必要な支援は学習者毎の個別性が高い.したがって,特定の短期的な学習文脈で学習者が設定した問いの内容に基づいたメタ認知知識の発見的学びとその適応的支援(ミクロループ)と,さまざまな技術を対象とした長期的な学習実践において習得したメタ認知知識の効果と成長を実感できる学習場(マクロループ)を形成することが望ましい.
マクロループの実現には,教材開発コストの軽減が必要である.これらを踏まえ,本年度は技術領域の学びに共通する問い概念とその設定行為を学習スキルオントロジーとして体系化した.そして,技術領域(セマンティックウエブ)を対象とした学習方略獲得のためのセマンティクスアウェアな学習教材の検討を行った.
先行研究で開発したメタ認知モニタリング課題において自身が設定した学習目標の不備(目標化ギャップ)に気づいた学習者を対象として,それを克服するメタ認知コントロール課題としての個別適応的学習教材の開発を行った.この際は,対象レベルの学びからそれを汎化して方略レベルの学びにつなげるための学習教材のデザイン原則を検討し,これに基づいた開発を進めた.教育実践に向けたメタ学習教材の準備を整えた.そして,メタ認知知識の発見的学びとその転移を促す適応的支援モデルの開発に向けた検討を始めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学習方略に関わるメタ認知知識を習得させるためのセマンティクスアウェアな学習教材の開発が概ね完了している.これをシステムに組み入れ連携させることで,教育実践に向けた準備が整うため.
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今後の研究の推進方策 |
学習方略に関わるメタ認知的知識が,深い処理方略と学習の持続性,長期的動機付けに促進的影響を与えることが明らかになっている.一方,その習得に必要な支援は学習者毎の個別性が高い.したがって,特定の短期的な学習文脈で学習者が設定した問いの内容に基づいたメタ認知知識の発見的学びとその適応的支援(ミクロループ)と,さまざまな技術を対象とした長期的な学習実践において習得したメタ認知知識の効果と成長を実感できる学習場(マクロループ)を形成することが望ましい.マクロループの実現には,教材開発コストの軽減が必要であるため,学習スキルオントロジーとして体系化した技術領域の学びに共通する問い概念とその設定行為を,これを意味処理する機構とともに教材オーサリングシステムに組み入れる.このことで,コストの軽減とミクロ・マクロループの実現,実践知共有の技術基盤を形成していく.さらに,技術領域を対象とした学習方略獲得のためのセマンティクスアウェアな学習教材を用いた教育実践を行い,これをもとにメタ認知知識の発見的学びと転移を促す適応的支援モデルの開発を行っていく.
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