研究課題/領域番号 |
21H03612
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
青木 一真 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (90345546)
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研究分担者 |
島田 亙 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (70401792)
久米 篤 九州大学, 農学研究院, 教授 (20325492)
野間 直彦 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80305557) [辞退]
竹内 望 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30353452)
石田 仁 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (00397316)
中島 春樹 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター森林研究所, 副主幹研究員 (90446625)
小熊 宏之 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 室長 (10342734)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 気候変動影響評価 / 中部山岳域 / 大気 / 雪氷 / 植生 |
研究実績の概要 |
立山連峰を中心とした高山帯の環境変動の基盤となる気象・雪氷観測体制を拡充し、気象・雪氷・森林の定点観測をベースに、定点撮影、雪氷藻類動態、森林・植生動態解析を統合し、分野横断的に 定量的に評価するべく研究を進めている。ただし、新型コロナの行動制限の影響や観測機器の部品調達の遅れなどにより、研究計画は当初通りには進まなかった。新型コロナの行動制限により、山岳域に観測に行けなかった。また、新型コロナの影響により、観測機器の部品の納入の目処が立たず、観測機器の備品調達が出来ず、令和3年度の物品費を繰り越し、それらの対応を次年度とした。当初予定していた以下の体制が整わなかったが、研究実績としては、高山帯の環境変動の基盤となる気象・雪氷観測体制を維持し、高山帯の環 境と生態系の変化を領域横断的な定量的把握およびその変動影響を解明することを目的としているため、この標高別の環境と生態系の観測データを統合すること で、リモートセンシグ、GIS解析、領域モデルと組み合わせ て、次の5項目、1)立山から中部山岳域の気候変動の動態解明、2)気候変動が生態系の各要素に及ぼし ている影響、3)植物種間の気候応答 の違いが将来的な植生ならびに環境変動に及ぼす影響、4)雪氷藻の動態把握も含めた生態系の生物的な要素が積雪融解などの 水文学的な要素 に及ぼす影響、5)広域大気汚染の負荷量変化の影響について明らかにするために、データを蓄積している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
標高の高い山岳地域では、地球温暖化のみならず気候変動により積雪量や融雪時期、気温や日射量などが大きく変化し、生態系変動を引き起こす。植生群落を構 成する種構成や分布、ひいてはそれを利用する生物の行動も変化する。気候変動の環境影響を評価するためには山岳域の環境と生態系変化の定量化が必要となる 実測データが不足している。このような厳しい自然環境化である中部山岳国立公園内の立山において、デジタル機材や観測網を活用した山岳全体を対象とした観測体制を検討していたが、今年度は、コロナの影響で部品調達が出来ず、観測機器の納品が遅れ、物品費を繰り越すこととなった。ただ、現状の観測は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究実施計画は、コロナの影響で納品出来なかった観測機器を次年度から観測し、当初計画通り、 1)立山から中部山岳域の気候変動の動態解明: 富山大学立山施設と立山を中心に、気象・雪氷の観測を行う。また、過去に 取得したデータ を整理し、解析する。 2)気候変動が生態系の各要素に及ぼしている影響: 立山において、デジタルカメラの通年観測を行う。また秋季に結実量 の調査を行う。 3)植物種間の気候応答の違いが将来的な植生ならびに環境変動に及ぼす影響: 中部山岳において、過去に取得した森林データを整理する。 4)雪 氷藻の動態把握も含めた生態系の生物的な要素が積雪融解などの水文学的な要素に及ぼす影響: 立山において、雪氷藻類の観測を行う 。また、過去に取得した雪 氷藻のデータを整理する。 5)広域大気汚染の負荷量変化の影響について: エアロゾルの光学的特性の観測とそれらの波長特性の解析を行う。 上記項目の研究を 行いながら、学会及び学会誌への研究成果を報告し、ウェブなどで公表できる範囲でデータや成果を発信する。
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