研究課題/領域番号 |
21H03669
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
菊地 直樹 金沢大学, 先端観光科学研究所, 教授 (60326296)
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研究分担者 |
豊田 光世 新潟大学, 佐渡自然共生科学センター, 准教授 (00569650)
高橋 満彦 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (10401796)
愛甲 哲也 北海道大学, 農学研究院, 教授 (30261332)
早矢仕 有子 北海学園大学, 工学部, 教授 (40347729)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 絶滅危惧種 / 保全と利用 / 順応的ガバナンス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、絶滅危惧種を「見せること」が「守る」ことにつながる方法を創出することである。シマフクロウとコウノトリとトキといった異なる絶滅危惧種を対象に、対象種や生息域への影響といった「生態学的問題」と協働と合意形成という「社会学的問題」を同時に考える学際的アプローチにより、絶滅危惧種の保全と利用サイクルの実現を可能とする順応的ガバナンスの要件を明らかにする。この目的に従い、第1に関係者の協働と合意形成が可能な到達点、第2に協働と合意形成に基づく絶滅危惧種への負の影響を最小化する「見せて守る」方法の構築、第3にその方法を持続可能なものとする順応的ガバナンスの要件の解明を目指す。 今年度は以下の研究を進めてきた。第1に知床(シマフクロウ)、佐渡(トキ)、豊岡(コウノトリ)、という国内3地域において関係者への聞き取り調査を実施し、絶滅危惧種の観光利用の目的、利害関心、関係者のネットワーク構造を把握し、保護関係者と地域の関係者の主張の共通点と相違点を明らかにした。第2に観光利用による影響が懸念されているシマフクロウの生息地域において、ポストコロナ時代を見越したIT技術を活用した「生息地に見に行かない見方」を引き続き実験している。閲覧者から感想・意見を収集し、画像配信による見せ方の効果を検証している。第3にインターネットおよび札幌市実施した野鳥観察に関するアンケートの分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知床のシマフクロウ、奄美大島のアマミノクロウサギの観光利用に関するフィールドワークを実施し、バードウォッチャーへのwebアンケート結果の分析を進めるなど概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、西表島の観光案内人条例の制度分析と観光ガイドを対象としたフィールドワーク、佐渡島のトキと豊岡市のコウノトリの観光利用の実態調査を実施する。
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