研究課題/領域番号 |
21H03676
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鷲津 明由 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60222874)
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研究分担者 |
板 明果 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (70544831)
中野 諭 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (80458950)
吉田 彬 早稲田大学, スマート社会技術融合研究機構, 次席研究員(研究院講師) (90707887)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | カーボンフットプリント / 家計 / 産業連関分析 / コンビニエンスフード / 食のスマート化 |
研究実績の概要 |
今年度はまず,日本における家庭のカーボンフットプリント(CF)の長期的(1990 年から 2020 年)変化を計算し,その間のCFの変化を,環境技術構造の変化,消費構造の変化,総消費量の変化の3つの要因に分解した。ここで,第1の要因はテクノロジーの変化であり,第2および第3の要因は消費者のライフスタイルの変化と考えられる。日本では,2010年代に入ってから光熱費と交通費に起因するCFが減少していることが明らかになった。これは先進国共通の現象として,家電製品の省エネ性能の向上や乗用車の電動化が急速に進んでいることを反映している。しかし食費に起因するCFは増加傾向を示していた。最近では,素材食品に比べてサプライチェーンが長いコンビニエンスフードの利用が進んでおり,そのことが食費のCF削減が難しくしていると考えられた。一方で適切なコンビニエンスフードの利用は調理労力の削減や食の豊かさの向上に貢献すると考えられることからコンビニエンスフードの利用について考察を深める必要があると考えられた。 そこでコンビニエンスフードの利用に関連してアンケート調査を実施した。調査では,回答者の普通の日の3日分の夕食について,夕食の費用,夕食を食べた人数,メニュー数,調理のための加熱時間(電子レンジ/ガス/そのほか),1食当たりごみの量(包材/食品ロス/厨芥),22の食材カテゴリー別用いた食材数を質問した。さらにアンケート調査の回答結果を用いて,i番目の個人のn (n=1,2,3)日目の夕食について,一人当たり夕食の食材費,調理エネルギー消費(加熱時間とCO2排出量),食材のカーボンフットプリント(CF) ,食品ロス等の発生量,および調理労力とコンビニエンスフードの利用強度の指標の作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環境と生活者のウェルフェアの向上を両立させているようなコンビニエンスフードの利用事例について現地調査を行う計画は,コロナ影響により実現できなかったものの,長期時系列カーボンフットプリント研究,およびコンビニエンスフード利用に関するアンケート調査結果に関する分析を行い,それぞれ学会発表を行った。前者についてはジャーナルペーパーを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず,長期時系列カーボンフットプリント研究,およびコンビニエンスフード利用に関するアンケート調査結果に関する分析結果を,ジャーナルペーパーとしてまとめ,海外一流紙に投稿を目指す。 そののち今後は,食のサプライチェーンの低炭素化,とりわけ農業の低炭素化について注目して研究を展開する。農業の低炭素化は農村における再生可能エネルギー利用の推進と資源循環の徹底が重要であり,それは農村のスマート化によって達成可能と考える。そこで農村のサスティナビリティトランジションについて考察することを本研究課題の後半の大きなテーマとして行く。
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