研究課題/領域番号 |
21H03689
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂本 龍太 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (10510597)
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研究分担者 |
Dendup Ngawang 早稲田大学, 政治経済学術院, 講師(任期付) (00844549)
安藤 和雄 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携教授 (20283658)
坂本 陽子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (30444053)
赤松 芳郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 特定助教 (80826199)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 高齢者 / ブータン / 健康 |
研究実績の概要 |
ブータンにおいて生活に即した地域在住高齢者医療ケアに関する研究を継続している。ブータンの保健省、ブータン王立大学、タシガン県保健局、バルツァム病院、カリン病院のスタッフなどと協議を行いながら今後の方針を話し合った。日本の高知県土佐町のフィールドと交流しながら研究を展開している。ブータンのCOVID-19対策についてまとめた論考が『チベットの世界』(法蔵館)の一章として掲載された。ブータンは保健省からのSNSなどを活用した透明性の高い情報開示、徹底した水際対策、PCR検査の徹底、迅速なロックダウンを行った。医師である首相や公衆衛生学を専門とする保健大臣の指導力、国王の積極的な姿勢と統率力、仏教界の協力、世界保健機関やインドをはじめとする国際的な支援など様々な要因が影響を及ぼした。論考では、ブータンの伝統医療及び現在の医療体制についてその概略に触れた上で、主に、ブータンのCOVID-19対策の方向を決定づけたと考える初期の対応に焦点を当て、上記の要因がいかに影響を及ぼし合ったかを考察した。また、村の保健担当係であるVillage Health Workerの抱える課題の聞き取りを行った。そして、保健省や首都ティンプーのJigme Dorji Wangchuck National Referral Hospital(JDWNRH)とも協議をすすめたところ、特に、JDWNRHにおいて、CTを用いた冠動脈の描出が滞っている現状があきらかとなった。JDWNRHは国内最高水準の医療機関であり、東部の拠点病院であるモンガル病院でも手に負えない場合に搬送される国内最後の砦であるため、これは死活問題であり、今後の大きな課題となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地との会合を経て、ブータンにおいて高齢者ケアに必要なものを把握し、それをある部分改善することができた。
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今後の研究の推進方策 |
血圧計及び体温計を配備したことによる問題点や利点をVillage Health Workerなどと密に連絡を取り合いながら共有し、本研究の目的である生活の場に即した高齢者ケアの仕組みづくりに生かしたい。
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