研究課題
ブータンにおいて生活に即した地域在住高齢者医療ケアに関する研究を継続している。ブータンにおいて高齢者の健康を守るうえで重要なキーアクターである保健省、ブータン王立大学、タシガン県保健局、バルツァム病院、カリン病院のスタッフなどと協議を行いながら今後の方針を話し合いながら活動を進めている。また、日本の高知県土佐町のフィールドと交流しながら両国の課題を共有している。成果の一つとして、ブータンにおいてどのように持続可能な形で高齢者の健康を守る仕組みを創れはよいのかを論じた論考がRoutledge New Horizons in South Asian StudiesのLife, Illness, and Death in Contemporary South Asia Living through the Age of Hope and Precariousnessという書籍の章の一つHealth and Ageing in Bhutan: How Can We Build a Sustainable Healthcare System for Senior Citizens?として掲載された。これは、2009年からブータンで我々が行っている地域を拠点とした高齢者健診導入の試みを紹介するとともに、現在ブータンが抱えている課題や今後の展開の可能性を論じたものである。そして、ブータンにおいて、また、保健省や首都ティンプーのJigme Dorji Wangchuck National Referral Hospital(JDWNRH)とも協議をすすめたところ、特に、JDWNRHにおいて、CTを用いた冠動脈の描出が滞っている現状があきらかとなったため、2022年12月に大阪大学附属病院循環器内科の協力を得て、CTの冠動脈画像の専門医師及び技術者をJDWNRHに派遣し、現地における技術向上の大きな助けとなった。
2: おおむね順調に進展している
プロジェクトを通じて明らかとなった課題に対して、少しずつ解決に向かうステップを踏むことができている。
ブータンで高齢者の健康を守る仕組みを考える時に、キーアクターが存在する。地域の高齢者自身やその家族、隣人、村の健康の担い手であるVillage Health Worker、地域の保健の拠点となるPrimary Health Centerや10 Bed Hospital、District Hospital、県保健局、Referral Hospital、保健省など。それらの方々の声を聞き取りながら、よりよい仕組みを模索していく。2023年度は五年に一度の総選挙の年であり、これまでの選挙では、政権交代が繰り返されており、今後の政策の変化を注視しながら慎重に研究を進めていく。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 図書 (2件)
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