| 研究課題/領域番号 |
21H03693
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| 配分区分 | 補助金 |
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| 研究機関 | 長崎大学 |
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研究代表者 |
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 教授 (80166321)
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| 研究分担者 |
星 友矩 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10790503)
源 利文 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50450656)
東城 文柄 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 准教授 (90508392)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | メコン住血吸虫症 / 環境DNA / ラオス / 感染リスクマップ / エコヘルス |
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| 研究実績の概要 |
メコン住血吸虫症対策として、集団駆虫薬投与Mass Drug Administration；MDAが実施され、それによって重症感染者は減少し、虫卵保有率も感染強度も低下傾向である。しかし、住民の多くはメコン川の水に依存して暮らしており、MDAだけでは再感染が防止できないことが最大の問題であった。従来のエコヘルスプロジェクトなどによって便所が普及し、駆虫も普及し、メコン川への寄生虫卵の流入はすくなくなっていたが、それでも、再感染は人々や犬などが集まるメコン川の岩場の浅瀬ロックプールで起こっていた。そのため本研究ではメコン住血吸虫に関連した環境DNA法を開発し、環境からヒト（および犬など）や中間宿主貝の感染状況を間接的にモニタリングし、地図化することを最終目的とした。
2022年（令和4年度）はCOVID-19の影響でフィールドワークが困難であったので、環境DNAの実験手技の開発が中心となった。令和5年度に繰り越した資金で、ラオスのフィールドにて日本で改良した環境DNAのためのメコン水ろ過方法を実施し、現地で実施可能なことを確認した。
環境DNA技術はCOVID-19の下水研究などにも応用されたため、急速に進歩した。メコン住血吸虫症に応用する場合の最大の問題は、熱帯特有の細かい泥が混じったメコンの水をどのように効率的にろ過できるかであった。これまで手動ポンプ法や、電動ポンプ法を試してきたが、時間や労力がかかることが問題であり、それを克服する方法を検討した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度もCOVID-19の影響でラオス側の保健分野のカウンターパートがCOVID-19対策で多忙であり、現地調査が困難であり現地調査は遅れ、国内での準備や測定手技の開発が中心で、資金を一部令和５年に繰り越した。
令和４年度に環境DNAの技術的問題を日本国内で検討し、令和5年度にラオス現地で重力法によりメコン川の泥水から環境DNAを採取する方法が利用できることを確認し、多くの地域での環境DNAサンプルの収集に目処をつけることができた。
令和４年度の繰越資金で、令和5年（2023年）度に、メコン川50地点での毎月の採水と環境DNAの測定を確立できた。最終的にメコン住血吸虫の環境DNA測定がラオス人の手で実施できるように技術移転を指導している。
また、令和５年の資金では、現地保健担当者にインタビュー調査を実施し、集団駆虫薬投与の実施の実態、参加率、メコン住血吸虫の患者の有無や、関係する症状について聞き取りを実施し、令和６年度の現地研究についての打ち合わせを実施した。
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| 今後の研究の推進方策 |
メコン水の採水と検査についての研究計画は現地で許可が得られており、それに追加する形で、住民の行動と意識を調べるためにラオス研究倫理委員会に追加の研究計画を申請する。
1）採水に関しては流行地の5村で毎月50-100か所での採水を実施し、その測定を実施する。
2）ラオスでの環境DNAをラオス・カウンターパートができるように技術移転を進める。
3）住民の水接触行動の経年変化を各村で聞き取り、水接触調査と環境DNA結果の関連を分析する。（流行地での村落保健ボランティアへのインタビューを実施し、村落ごとにいつから水接触が減少していったかを把握する。）
4）結果をラオス保健省・熱帯公衆衛生研究所にフィードバックし、メコン住血吸虫症の制圧とその後のモニタリング体制の確立につなげる。
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