研究課題/領域番号 |
21H03696
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
中村 貴子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70305564)
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研究分担者 |
岡本 繁久 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (30211808)
中村 考志 京都府立大学, 文学部, 教授 (90285247)
佐々木 梓沙 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (90761966)
久保 中央 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60347440)
倉持 幸司 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 教授 (90408708)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 農業経営 / 判定試薬 / SSRマーカー / 香草 / ハーブ / 伝統品種 |
研究実績の概要 |
2021年度はミントに焦点をあて,フィールド調査に必要な検定試薬の開発(1)と遺伝学的調査(1)をおこなった.
1.カルボンを含有するC型ミントとピペリテノンオキシドを含有するPO型ミントの迅速検定法の開発:フィールド調査のときにミントの採取時に迅速にPO型ミントの同定ができれば,調査を飛躍的に進めることができる.ミントの型の判定は,GC-MSかHPLCにたよる機器分析しか方法がないため,現地でミントを採取してから試料化して日本に移送する手段をとるため1回の調査の検体数に限りがあることが調査の律速となっている.これを解決するために,現地で使えるPO判定試薬の開発を試みた. Janovsky反応を利用した呈色法を試み,ミントのヘキサン抽出液と試薬に3,5-ジニトロ安息香酸溶液/メタノール溶液と水酸化ナトリウムを用いて予備検討したところ,紫色の呈色を指標に判別できる可能性が示唆されたため,今後条件を検討して,現地で安全に検出ができる改良法の開発へと進める.具体的には,ヘキサンとメタノールの代替に70%エタノール,水酸化ナトリウムの代替に重曹や石灰をあてることができれば現地で安全に検出ができる改良法が開発できるかもしれない.
2.ミントの系統特異性を決定する遺伝学的調査:ミントは種間交雑や倍数化により多種であるため,フィールド調査で収集したミントの分類に資するSSRマーカーによる分類と葉形態による分類を試みた.ミントには葉脈パターン(網状脈と平行脈)と葉の形状(LSI:縦横比)を数値化することで明確に区別できる種があることがわかった.また開発した12パターンのSSRマーカーによりミントの系統をグループI-VIに分類することに成功し,東南アジアのミントはグループ I と II に分類された.これによりまだ分類されていない東南アジアのミントの遺伝的背景の解明につながる結果を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はミントと瓜の発がん抑制効果と糖尿病改善効果を期待し,日本だけでなく世界から系統特異性と成分組成を解析しながら利用価値の高い品種を見いだし健康増進へつなげることを目的としている.2021年度はミントに焦点をあて,フィールド調査に必要な検定試薬の開発と遺伝学的調査をおこない目的とする研究の進展が見られたため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度からはミントと瓜について下記1-3の研究をおこなう. 1.カルボンを含有するC型ミントとピペリテノンオキシドを含有するPO型ミントの迅速検定法の開発:フィールド調査でミントの型(P型とC型)を判定できる試薬があれば,調査労力軽減に役立つ(C型は廃棄し,P型のみを採取できる)ため,Janovsky反応を利用した呈色法を改良した実用可能な検定法の開発を試みる.フィールド調査で用いる試薬は,移動時の振動や現地で研究者が暴露しても水で簡単に洗浄できる安全な試薬である条件をもつことが必要である.2021年度に開発した方法はヘキサンとメタノールと水酸化ナトリウムを使用する方法であったため,これを水,70%エタノール,重曹や石灰に代替しても検出できるか否かをまず試験し改良法の開発を試みる. 2.ミントの系統特異性を決定する遺伝学的調査:フィールド調査を開発したSSRマーカーによる分類と葉形態による分類をフィールド調査で収集したミントに適用し,カルボンとPOの定量とともに分類を試みる.Limonene (L)からPOへの代謝経路の中間体の存在の有無を明らかにし,存在する場合は同定し,SSRマーカーによる分類と葉形態による分類を補完する分類の一指標となる可能性の有無を明らかにする. 3.糖尿病者用食材として利用できる桂瓜と同様の特性をもつ瓜の存在の有無の検討:低糖質高芳醇の特性をもつような果実は日本には存在しないため,もし,この特性をもつ食材を日本に複数導入できれば,糖尿病者の食材選択肢は増え,QOL向上につながる.瓜を求め東南アジア大陸部のうち,タイとベトナムを拠点としてその候補を見いだす調査をおこなう.
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