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2021 年度 実績報告書

ベトナム紅河デルタ村落における共同体の再編-生計の多様化と生活の安定化

研究課題

研究課題/領域番号 21H03707
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

柳澤 雅之  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80314269)

研究分担者 藤倉 哲郎  愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (70722825)
新美 達也  名古屋学院大学, 経済学部, 准教授 (80773192)
澁谷 由紀  東京大学, 附属図書館, 特任研究員 (90821976)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードインフラ整備 / 生活レベル / オンライン・フィールドワーク / ベトナム
研究実績の概要

本研究では、1990年代以降のベトナム紅河デルタにあるナムディン省コックタイン村を対象として、歴史的に形成されてきた村落共同体の変容と再編を明らかにし、現在の地域社会における新たな共同体の形態と機能について考察することを目的としている。
コロナ禍のため、当初予定していた調査を実施することはできなかった。しかし、2021年度に繰り越していた資金を活用して、オンライン・フィールドワークの実施、得られた資料の整理、研究成果の発信のための調査報告書作成と、そのベトナム語訳の作成を行った。
オンライン・フィールドワークでは、携帯電話とパソコンを用いて、コックタイン村とインターネットを介して日本各地(研究分担者が居住する地域に分散)とオンラインで接続し、村人に対するインタビュー調査を実施した。その結果、コロナ禍以前から始まった急激な、村内のインフラ整備が急速に進んでいることがわかった。特に、道路、農業用水路、居住域の排水路と上水道整備が急速に進んでいることがわかった。道は舗装され、車の通行を前提として道幅も拡張されていた。上水道の整備は、それまでの井戸水の利用から、メータを用いた上水道利用へと変化をもたらした。このように、村の生活レベルは急激に様変わりした。さらに、そうしたインフラ整備にともなう世帯間の調整に、村落共同体が依然として重要な役割を担っていることも明らかになった。
これらの成果を報告書として作成した。その際に、ベトナム語訳もつけ、村人と共有した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

現地調査を実施することができないものの、インターネットを介したオンライン・フィールドワークを実施することができた。日本側の調査メンバーと村人のこれまでの長期間にわたる人間関係に基づくことで、新しいタイプの調査を実施することができた。そもそもの調査を継続することに意味があっただけでなく、新たな調査手法を実現することができたという意味においても意義ある活動ができた。

今後の研究の推進方策

オンライン・フィールドワークで明らかになった、村内の急激なインフラ整備が、村全体のどの範囲におよぶのかを詳しく調査する。インフラ整備の資金、インフラ整備に伴う土地利用の変化に対応した、農民の土地所有の変化、行政村と、行政村の中で生産消費に関わる調整役としての合作社の役割を明らかにする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Improving the accuracy of plant phenology observations and land-cover and land-use detection by optical satellite remote-sensing in the Asian tropics2023

    • 著者名/発表者名
      Shin N, Katsumata C, Miura T, Tsutsumida N, Ichie T, Kotani A, Nakagawa M, Khoon KL, Kobayashi H, Kumagai T, Tei S, Pungga RaS, Yamada T, Kameda A, Yanagisawa M, Nasahara KN, Muraoka H, Ichii K and Tokumoto Y.
    • 雑誌名

      Frontiers in Forests Global Change

      巻: 6 ページ: 1-16

    • DOI

      10.3389/ffgc.2023.1106723

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 書評・新刊紹介「『アブラヤシ農園問題の研究』Ⅰ【グローバル編】東南アジアにみる地球的課題を考える、Ⅱ【ローカル編】農園開発と地域社会の構造変化を追う、林田秀樹(編)2021年、晃洋書房」2022

    • 著者名/発表者名
      柳澤雅之
    • 雑誌名

      東南アジア:歴史と文化

      巻: 51 ページ: 101-104

  • [学会発表] ベトナム紅河デルタ農村における地域住民と協働したオンライン・フィールドワークの試み2022

    • 著者名/発表者名
      小川有子・柳澤雅之・藤倉哲郎・澁谷由紀・富塚あや子・古橋牧子・Vo Minh Vu・Bui Thi Thanh Thuy
    • 学会等名
      2022年度海外学術フェスタ. 海外学術調査総括班
  • [学会発表] 日常生活とトラブル時における移住事業者と地域住民の関係 : ―静岡県南伊豆町の事例―2022

    • 著者名/発表者名
      谷優太郎・柳澤雅之
    • 学会等名
      日本地理学会
  • [図書] 「ベトナムの生態環境-山と平野」『現代ベトナムを知るための60章(第3版)』2023

    • 著者名/発表者名
      柳澤雅之
    • 総ページ数
      425
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      978-4-7503-5529-0
  • [図書] 百穀社通信 21号Thong Tin Bach Coc2023

    • 著者名/発表者名
      柳澤雅之・澁谷由紀・小川有子・藤倉哲郎
    • 総ページ数
      87
    • 出版者
      田中プリント

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公開日: 2023-12-25  

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