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2023 年度 実績報告書

旧ユーゴスラヴィア地域における民族を超えた文化の学際的研究:紛争後30年を経て

研究課題

研究課題/領域番号 21H03710
配分区分補助金
研究機関神田外語大学

研究代表者

鈴木 健太  神田外語大学, グローバル・リベラルアーツ学部, 講師 (00749062)

研究分担者 奥 彩子  共立女子大学, 文芸学部, 教授 (90513169)
ボシティアン ベルタラニチュ  城西大学, 現代政策学部, 准教授 (80752120)
長 有紀枝  立教大学, 21世紀社会デザイン研究科, 教授 (10552432)
上畑 史  大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部, 人間文化研究創発センター, 研究員 (60827864)
門間 卓也  愛知学院大学, 文学部, 准教授 (90868291)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードユーゴスラヴィア / 民族 / 文化 / 地域 / トランスナショナリズム
研究実績の概要

3年次の中間年度にあたる本年度は、主として、本研究課題の中核である具体的検討課題(C)「ポスト・ユーゴスラヴィア期(1991年~現在)」について、前年度までの取り組みを踏まえつつ、研究組織の各メンバーがそれぞれの学問分野に基づく個別研究を実施した。遺産、消費、共生の3つの領域、および移民コミュニティ・ディアスポラの状況における民族を超えた文化と関連する諸事象の検討が引き続き進められ、その(中間的)成果の一部が個々に発表された(〈遺産〉:鈴木論集論文・鈴木市民講座講演(2番目)・山崎講演、〈消費〉:奥論集論文、〈共生〉:ベルタラニチュ報告・長雑誌論文・長講演・山崎論考、〈移民コミュニティ・ディアスポラ〉:鈴木紀要論文・奥翻訳書・奥雑誌論文・長国際会議報告・長論集論文)。
以上と並行し、初年度に中心的に扱った具体的検討課題(A)「ユーゴスラヴィア黎明期(19世紀~20世紀戦間期)」および同(B)「社会主義ユーゴスラヴィア期(第二次世界大戦~1991年)」に関しても継続的な作業を行いながら、具体的検討課題(A)(B)(C)相互の接続や連関に取り組み、研究全体の総合的な考察に着手した。研究組織内の対面形式による研究会を2回開催し、個別研究の各報告をもとに意見交換と議論を進めるとともに、当該地域における民族を超えた文化が現出する背景や要因(またその限界)について中間的な見通しを得た。その際の準備作業や部分的な成果として、多民族的と称される自治州の事例、社会主義時代の民族を超えた共感について検討したほか、食文化の位相や国際的な立ち位置に関する整理と把握を行った(鈴木論考・前掲鈴木論集論文・鈴木市民講座講演(1番目および3番目)・鈴木大学公開講座)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの2年度の内容と成果を踏まえ、中間年度における本研究課題の取り組みをある程度進めることができた。前年度から本格化した具体的検討課題(C)では、それぞれの個別研究が継続、前進し、その成果も形になり始めている。同時に、具体的検討課題(A)(B)(C)の相互の連関と研究課題全体の考察についても、折り返しの年度として、一定の展望を得ることができた。その際、今年度5月の新型コロナウイルスの5類感染症移行も受け、対面の行動・活動が拡充したことにより、これまで主に用いた遠隔手段によるオンライン会合に加え、対面形式による研究会も2回実施することができたのは、とりわけ研究組織のメンバー間の円滑で活発な議論を育むうえで大きな意味があった。

今後の研究の推進方策

中間年度を終え、4年次以降では、これまでの作業と成果を踏まえ、具体的検討課題(C)の個別研究の継続的な進展とともに、具体的検討課題(A)(B)(C)の相互の連関や統合および全体の総合的な考察にも力を入れ、研究課題全体を最終年度に向けて前進させていく。
その際、現地での調査・資料収集を活用して、個々の研究を推し進める一方、対面形式と遠隔手段の双方により、研究組織内の意見交換と議論の充実化に努めながら、最終年度の総括に向けた着実な遂行をめざしたい。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 出稼ぎ商人からインフラ建設パートナーへ――セルビアにみる対中関係の30年とその変容2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 健太
    • 雑誌名

      グローバル・コミュニケーション研究

      巻: 12 ページ: 71-90

  • [雑誌論文] セルビアのもうひとつの自治州――ヴォイヴォディナの人びと、社会、文化2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 健太
    • 雑誌名

      地理月報

      巻: 571 ページ: 10-12

  • [雑誌論文] 「オートフィクション」におけるジェンダー――ウグレシッチ『きつね』を通して読む大江の後期作品2023

    • 著者名/発表者名
      奥 彩子
    • 雑誌名

      ユリイカ(2023年7月臨時増刊号 総特集=大江健三郎――1935-2023)

      巻: 55(10) ページ: 432-441

  • [雑誌論文] ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争にみる「争いを終わらせない方法」から学ぶ「争いの終わらせ方」2023

    • 著者名/発表者名
      長 有紀枝
    • 雑誌名

      季刊 民族学

      巻: 186 ページ: 58-65

  • [学会発表] EU Enlargement Then and Now: Case of Slovenia2024

    • 著者名/発表者名
      Bostjan BERTALANIC
    • 学会等名
      Seminar "20 Years in The EU: Breakthroughs Achieved and Lessons Learned" (Tokyo)
    • 国際学会
  • [学会発表] “Bosnian Diaspora’ s political activism and international lobby activities and its influence over homeland”2024

    • 著者名/発表者名
      Yukie OSA
    • 学会等名
      第3回イスラーム信頼学 国際会議 “Exploring the Tacit Knowledge of Trust Building and Connectivity amidst Predicaments”(東京大学駒場キャンパス)
    • 国際学会
  • [学会発表] 「ユーゴスラヴィア地域」のいま――紛争から30年後の6か国2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 健太
    • 学会等名
      かわさき市民アカデミー「世界を旅する28バルカン・ツアー その1」第2回
    • 招待講演
  • [学会発表] 旧ユーゴスラヴィア地域と20世紀――統一国家の経験にみる南スラヴの立ち位置2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 健太
    • 学会等名
      早稲田大学エクステンションセンター「中欧・東欧諸国とロシア――国際政治の展開をたどる」第5回
    • 招待講演
  • [学会発表] 路面電車に乗って――車窓から眺めるベオグラード、ザグレブ、サラエヴォの社会主義時代2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 健太
    • 学会等名
      かわさき市民アカデミー「世界を旅する28バルカン・ツアー その1」第7回
    • 招待講演
  • [学会発表] 肉を食らう――食文化にみる「ユーゴスラヴィア地域」の共通性と多様性2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 健太
    • 学会等名
      かわさき市民アカデミー「世界を旅する28バルカン・ツアー その1」第10回
    • 招待講演
  • [学会発表] DO NO HARM原則と「翻訳」から考える国際社会と平和構築――ボスニア・ヘルツェゴヴィナを主な事例に2023

    • 著者名/発表者名
      長 有紀枝
    • 学会等名
      講演会&ワークショップ「平和構築と国際援助を考える――異文化の声に耳を澄まして」(九州大学伊都キャンパス)
    • 招待講演
  • [学会発表] 記憶と忘却の政治学――ユーゴスラヴィアの巨大記念碑群をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      山崎 信一
    • 学会等名
      かわさき市民アカデミー「世界を旅する28バルカン・ツアー その1」第12回
    • 招待講演
  • [図書] 『イスラームからつなぐ4 移民・難民のコネクティビティ』(長「ボスニア移民・難民と国際的ロビー活動――スレブレニツァ事件のジェノサイド認定をめぐって」259-281)2024

    • 著者名/発表者名
      黒木英充編(長有紀枝ほか著)
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130343541
  • [図書] 『共感の共同体――感情史の世界をひらく』(鈴木「「同じ」人間が「違ったふうに」考え出すとき――1980年代末ユーゴスラヴィアにおける共感の限界 」303-349)2023

    • 著者名/発表者名
      伊東剛史・森田直子編(鈴木健太ほか著)
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      平凡社
    • ISBN
      9784582839371
  • [図書] 『東欧演歌の地政学』(奥「麗しのブレナのはるかな旅――ユーゴスラヴィアの歌姫」180-199)2023

    • 著者名/発表者名
      伊東信宏編(奥彩子ほか著)
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      アルテスパブリッシング
    • ISBN
      4865592725
  • [図書] きつね2023

    • 著者名/発表者名
      ドゥブラヴカ・ウグレシッチ(奥彩子訳)
    • 総ページ数
      346
    • 出版者
      白水社
    • ISBN
      4560093709
  • [図書] 『軍事力で平和は守れるのか――歴史から考える』(山崎「コラム1 ユーゴスラヴィア紛争からの教訓」60-67)」2023

    • 著者名/発表者名
      南塚信吾・油井大三郎・木畑洋一・山田朗(また山崎信一ほか)
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2024-12-25  

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